「脱成長」セルジュ・ラトゥーシュ著を読んで
こちらも「人新世の資本論」の斎藤幸平氏が推薦していた本だ。彼の著作の中でもこの「脱成長」は重要なキーワードとして頻出している。前回読んだナオミ・クラインの「地球が燃えている」などと共通の問題提起と解決へ向けての思索が書かれている。
本紙の特徴は齢八十歳になる著者の思索の歴史からくる、脱成長の先駆的な思想家たちの考察を随所に散りばめ、「脱成長」への思索の深さと歴史的な長さを表出している点であろう。
文体としては平易ではないが、斎藤幸平氏の「人新世~」などを読んでいれば、その