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気休め【エッセイ】六〇〇字
TOP画像:月桂冠公式SNSから
「『酔生夢死』という言葉がある。酔っぱらって、夢の中で死ねるんだぞー。いいだろう」
そう宣うのは、二十二歳年上の大先輩。元新東宝(いまは、ない)の宣伝マンで、親友と某百貨店の広告制作会社を共同経営。後に三十年以上、社長を務める。GFの父親で、彼女よりも付き合いが濃かった。「酒の」、ではあるが。酔うと、「原始共産主義」を、彼は熱く語った。社長報酬を抑え、土地や家を持たなかった(娘は、嘆いているようだ)。私は、酒以外に、その思想性の影響も(一応…)受ける。
だが彼は、何人も殺している。社員や外注のカメラマンに酒を呑ませ、三人ほど。肝臓に係る病で、四十代までに鬼籍に送っている。
その百貨店の社員と知り合いになり、後に、四十六から二十年、WEBデザインの会社を営むことになるのも、その「御仁」との縁、とも言える。なので、彼に足を向けて寝られないのだが、その代償も少なからず払っている。「酒」である。いまのところ、γーGTPは、標準を多少(?)越えてはいるが、大病は、(先は、わからないけども…)ない。
冒頭の言葉。むろん、戒めの教え。「酒に酔ったように、夢を見ているように、ぼんやりと無自覚に一生を送ること」の意味である。大先輩は、今年九十五。さすがに酒量は減っているようだが、ご健在である。「呑めば飲むほど、肝臓が強くなる」が、口癖。まさに彼は、実践してきた。が、犠牲になっていった者たちを想うと、週に一度くらいは、「休肝日」ってやつを、やらなきゃとは、思っている。
(御口直し)
「コラム読み比べ」
本日は、「長崎原爆の日」。購読紙二紙のコラム「天声人語」「筆洗」を読みましたが、東京新聞では、(もちろん)多くのスペースで記事化しているにせよ、コラムは、「日本防衛システムへのハッカー侵入」問題でした。よって、6日のコラムを掲載します。
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★コメント欄にある、映画『オッペンハイマー』問題に関連した記事が朝日新聞夕刊の掲載されていたので、緊急アップ(読めるかどうか・・・💦)。
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