「国家」 < 「ひとつの命」(2の2)【エッセイ】二四〇〇字
「入管法改正案 さっさと施行してくれますか」
こんな書き込みを、SNSに書き込んでいるお方がいらっしゃいました。(むろん匿名です。👿)
こんな書き込みを見てしまうと、「入管法」問題について再度、書かざるを得ません。なので、予定していた当初の(2の2)は後日、投稿することにします。
急遽書き換えた(2の2)では、前回の投稿へのコメントにぜひ紹介したいご意見があり、かつ、調べればしらべるほどにさらに疑問が強まってきたので、「入管法」の問題点について、整理して記すことにします。
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いつもは、(おまけ)としていた後藤正文氏のエッセイを、冒頭でご紹介。私がうだうだ書くよりは、このひとの600字足らずの短文のほうが的を射ている(かも)。(笑
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さて、今回の「入管法」、なにを問題視しているのか、です(あらためて)。
大前提は、国連にも指摘されているように、難民、移民の受け入れに極めて消極的であり、受け入れてもブラックな対応であること(難民認定率は、0.3%<2021年>)。
端的に言えば。
この消極的な姿勢は、保守系政治家に根強くある「民族純血主義」「国家神道と神国」の考え(後藤氏が書く「ユニフォーム」ではないか)が、そうさせているじゃないかと、(ワタクシは)思っています。
さらに、難民・移民を受け入れることによる犯罪数の増加を理由のひとつとして挙げるお方もいっしゃいます。冒頭で紹介した書き込みも、その思い込みからくる発言と思わざるを得ません。
また、入管庁までもが、
「退去強制の対象者は犯罪歴のある人が多い」と、宣う。
しかし、
もし、難民や移民の受け入れが犯罪の増加につながるとしたら、積極的に受け入れている国々は、犯罪大国になっているはずです。そうなっていますか?
ドイツでは、人道主義の見地から難民を積極的に受け入れてきたメルケルさんが、「就業の機会が侵される」との極右政党の扇動が原因のひとつとなって、辞任してしまいました。優秀な、国の、いや世界のリーダーと思っていただけに、とても残念です。
日本では、深刻な少子化。労働人口が著しく減少しています。労働力を海外に求めることは自然の流れではないでしょうか。(前回、触れた)日本で働くことを希望していたミャンマー人の若い友、ヌイくんの言葉、
「外国人をじゃんじゃん受け入れ、税金をどんどんとればいいじゃないですか」
が言い当てていると思います。
彼は、日本語のほかに英語が得意で、いまは、ハングルも勉強しているようです(オーストラリアか韓国に行くために)。
さらに、
コメントしていただいた、カナダ在住の<千本松由季/小説家/YouTuber>さんの言葉も、外から見た日本を言い当てている、と思います。
つぎに改正(改悪)の問題点です。
司法で、「疑わしきは罰せず」の原則が置き去りにされたまま、冤罪、及び冤罪と思われる事案が続いています。この入管法改正(改悪)では、(申請は2回までと制限したが)3回目の申請でも「根拠があれば」、(難民)認定する、としています。が、迫害を受ける可能性があるかどうかの厳密な証明が求められ、迫害の程度も判断基準の材料となります。が、その根拠を示すことは不可能に近いです。冤罪で無実を証明する明確な「根拠」を示せ、と言われるに等しい。「疑わしきは罰せず」だと思いませんか。
そして、根拠を審査する体制にも大いなる疑義があります。
今国会で明らかになったのは、その審査は、一部の審査員(参与員)に集中し、とても判断できない状況になっていたのです。一件あたりの審査時間、わずか6分です。それで難民かどうか、どう判断できるのでしょう。
その判断を間違えれば(いや、判断できないでしょう)、逃げてきた国に戻され「ひとつの命」が奪われることが十分に考えられます。大いなる「人権」問題なのです。そして、「冤罪」と同じ結果になる可能性がとても高いのです。それを、与党だけでなく、賛成票を投じた(もう野党とは言えない)日本維新、国民民主は、どう考えるのか、と問いたいです。
そんな疑義がありながら、「ひとつの命」が次々と失われるかもしれない法律を、反対の声を無視し、強行採決されてしまったのです。
しかしわずかな救いは、施行まで若干の時間があります。今後もこの問題をチェックして行きましょう。「さっさと施行してくれますか」と、よく言えたもんだ。(怒