あったらいいな、の新商品の開発Vol.3
新商品の開発話も今回で3回目に突入しました。
Vol.1では、新商品を開発することになったキッカケと、商品イメージ・ユーザーイメージについて、Vol.2では新商品の粗設計についてご紹介しました。
Vol.2では省略しましたが、設計プロセスでは3C分析をベースとしてSWOT分析を行いました。内部書類は生々しい表現が多いので、noteではざっくりと紹介しています。
さて、今回は実際の商品づくり(商品企画)の段階に移ります。
「どのような製品をどのくらいの価格でどういう経路で市場に送り出すのか」、「どのようにターゲット層にどのように情報を届けるのか」がポイントです。今回は苦労したことを中心にご紹介したいと思います。
商品企画の罠
商品企画の際は、次の4つを意識しました。一般的な4P分析です。
イメージするユーザーをもとに、魅力的な商品を構成し、納得感のある価格を設定し、購入しやすい場所や、宣伝方法と内容を考えます。
ここで大きな罠に嵌ってしまいました。
この商品はライトユーザーが対象なので、商品の分かりやすさや、手軽さ(値段も含めて)がポイントになります。
それなのに。。。
プロファイリングも含めてユーザーイメージを設計したのに。。。
気がついたら、超一級品の商品ばかりを集めたドリームセットができあがっていました。
個人的には超魅力を感じる構成ですが、ユーザーイメージと合致しないと思いつつ、キッカケとなった「おうち喫茶プロジェクト」のメンバーに相談してみました。
「(ライトユーザーには)価格が高くて手に出にくい」
「(現状の商品設計では)特別感を得にくい」
「マニアックではなく、わかりやすい商品が良い」
一言で撃沈です。。。
商品企画では良くあることですが、まぁまぁ凹みます。
*写真は商品企画段階で検討していたパッケージ
コストとの兼ね合いでボツになりました。
商品構成を再び考える
指摘コメントを踏まえて、Vol.2で設計したユーザーイメージをもとに、一から商品構成を考えました。
①まずは、ライトユーザーでも分かる商品構成、
②商品にちょっとした驚きや茶目っ気があること、
③そして、手に取りやすい価格設定。
①と②は、プロファイリングしたユーザーイメージをもとに商品構成に組み替えました。ポイントは分かりやすさです。
全国の有名産地(宇治・静岡・八女・鹿児島など)で検討し、製造や香味の違いをもとに商品マトリックスを作り検討しました。また価格においても、100gあたり1,000円〜1,200円の商品で構成することで、全体的な価格を抑えることも検討しました。
余談になりますが、ボツ案となったドリームセットも引き続き検討することにしました。理由として、イメージするユーザー設計を見直すことで、活かせる場面が出てくると思ったからです。(個人的にはボツ案にするには、もったいないと思ったからです。)
*商品マトリックスイメージ
縦軸は蒸しの深さ・横軸は栽培・丸の色で火入れの強弱を表現
最後まで悩んだのは③価格設定(コスト削減)です。
商品特性を踏まえると、販売する場所はWebが中心になるので、まずは配送費用の削減。そして、パッケージコストの削減が急務でした。
配送費用は配送会社の各サービスを比較しながら検討。
配送コストやオペレーション負荷を踏まえて、郵便事業会社のクリックポストを採用しました。
問題はパッケージコスト。
パッケージコストはスケールがものをいう世界。
多く発注すれば1個あたりのコストは大きく削減しますが、在庫コストが膨らみます。不要な在庫コストは極力抑えたいが本音です。
まずは、商品を構成するパッケージを再度見直し、不必要なパーツを全て洗い出すことにしました。最終価格に対して、装飾が過分であるかをチェックします。
そして、当社が抱える他の包装資材を見直し、代替できるものがあるか、もしくは新しいパッケージに置き換え可能な物がないかを見直しました。
それでも大きくコスト削減することはできない。。。
それであれば、一層のことスケールを大きくすることで解決を図ろうと思い、販路を開拓することに舵を切りました。
*写真は取り寄せたパッケージ(一部)を並べている様子
Vol.3では、今回の商品開発で最も悩み・時間を要したことをご紹介しました。一つの新商品をリリースするまでに、色々な葛藤があったことを笑って頂ければ幸いです。
次回は、Vol.3の続きとして、新規開拓についてご紹介しようと思います。
今回もお付き合い頂きまして、ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?