支援者マインド
あくまで私の経験を通じて個人的な見解です。
対人支援職として10年以上が経過し、1年前に国家試験キャリアコンサルタントと公認心理師を取得しました。
資格が取得したからといって何ができるようになる訳ではなく、少なくとも国家試験なので一定レベルの水準があることの証明書になることは議論の余地がありません。そういった意味において国家資格とは、社会的信頼やクライエントにとって安心感といった付加価値があります。
したがって、私にとっては国家資格はあくまでスタートラインに過ぎない。
でも、スタートラインに立てなければ、いくら頑張っても表彰台には手が届かない。
キャリアコンサルタントと公認心理師を取得して、クライエントの支援をしていく中で感じた社会的認知は「コンサルタント」と「カウンセラー」という解離した深い溝でした。
たしかに私も「コンサルタント」って聞くと「○○コンサルタント」という通称を名刺に入れ、経営陣を支援する対価として年収○千万円を稼ぐ方をイメージしていましたし、現実としてそういう方もいます。
では、キャリアコンサルタントは「コンサルタントなのか?」という問いを立てると私は「違う」と思っています。
では、何故キャリア「カウンセラー」ではなく、キャリア「コンサルタント」になったのか。
これには、国家資格化した背景が関連しています。2016年職業能力開発促進法において国家資格と定められました。それまで民間資格で「キャリアカウンセラー」や「キャリアリクルーター」等として活躍していたのです。
したがって、当時、厚生労働省が認可した10個の民間資格を取得していたキャリアカウンセラー等の方々は、申請した場合、自動的に国家資格「キャリアコンサルタント」に移行措置することができました。
つまり、民間資格との差別化を図るために「キャリアカウンセラー」を使用せず、「キャリアコンサルタント」と変更し、名称独占したことが予想されます。
では、面談業務はどうなっているのか?
キャリアコンサルタントが行うクライエントの方との個別面談を「キャリアコンサルティング」と呼んでいます。
厚生労働省の定義では、「キャリアコンサルティング」とは、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」とされております。
ここで、冒頭で述べた「○○コンサルタント」が行うコンサルティングとキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを比較すると、その内容は一致していないことが明らかです。
以上のことから、「キャリアコンサルタント」とは二つの不一致があります。
①資格名称不一致
キャリアカウンセラーとの差別化、キャリアコンサルタントの名称独占化
②支援名称不一致
社会的認知されているコンサルタントが行うコンサルティングとの解離
では、どうするのか。
これは、カール‥ロジャースが提唱する3条件の一つである「自己一致」が重要だと私は思います。
この現実や事実に嘘や合理化を図るのではなく、ありのままを正面から受け止め、自分事として納得できるまで考察することが大切です。これを曖昧にしているとセルフキャリアドックと企業コンサルを混同したり、転職事業と転職支援の境界線が無くなって、いつの間にか「キャリアコンサルタント」としての自分を見失ってバーンアウトするリスクがあるからです。
あくまで個人的な見解ですが、少しでも皆様に参考になれば幸いです。
自分の『支援者マインド』に問いを立てていきましょう!
今回は、キャリアコンサルタントについて取り上げましたが、これから色々なことをピックアップしていきたいと思います♪