東海第二原発の防潮堤の不良工事、その後について。
4月に長文を書いたが、6月18日から7月3日にかけて動きがあった。
3月26日、「調査の不足」指摘
先日書いたように、3月26日の審査では原子力規制庁が「調査の不足」を次々と指摘した(以下動画頭出し)。
6月18日、宿題をせずにきた小学生みたいな日本原電
6月18日の審査会合では、その規制庁に指摘に対する回答を事業者「日本原子力発電(以後、日本原電)」が行った。しかし、その回答では「信頼性が十分にできない」と規制庁は再指摘。これに対して、指摘されていることの重大さを日本原電が理解できていないのではないかと思う(例えると、宿題をせずに学校に来た小学生みたいな)やり取りが続いた(該当箇所を以下で動画頭出し)。
翌日の原子力規制委員会の後の記者会見では、このことに対する山中委員長の見解を問う質問があった。少し長いが抜粋する。
6月28日、日本原電が宿題を提出
そして6月28日、この会合を踏まえて日本原電と規制庁で面談が行われた。
面談の議事要旨によれば、日本原電の方から、東海第二の防潮堤(鋼製防護壁)について、規制庁の指摘を踏まえ、「不確かさが残る地中連続壁部を上部の鋼製防護壁を支持する構造としては使用しない設計に変更」を検討する旨の説明があり、「7月上中旬」に決めたいという方針は「見極めたい」(事実上の先延ばし)との説明があった、ということを、これを書きながら、今、確認した!
7月3日、防潮堤工事か設計からの見直し決定
果たして次の7月3日の原子力規制委員会。全国の原発の新規制基準の適合性審査の進捗を報告する中で、以下の通り、規制庁が「既工事計画どおりに建設し直すか、又は防潮堤の設計を見直すことを検討するよう求めた」とはっきり書いてあったので(6月28日の面談があったことに気づいていなかったので)、驚いた。
7月3日 山中委員長による念押し
驚きとは別に、気になったことがあった。委員会の中で、審査担当者に山中委員長が尋ねたことだ。
そこで、この日の会見では山中委員長の質問の趣旨を尋ねてみた。
そんなわけで、「東海第二原発の防潮堤不良施工について:県議は、市議は、村議は、規制庁は」で報告したことについては、一定の決着がついた(やっぱり自治体議員の存在は大きく大切!規制庁の審査官の能力はもちろん)が、東海第二原発の問題は、このことだけにはとどまらない。
【タイトル画像】
原子力発電所の新規制基準適合性審査等の状況(令和6年7月3日原子力規制庁) P31 を抜粋