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というわけで、パブコメを書きましょう #除去土壌の復興再生利用 2月15日夜〆切

この辺この辺で何度も書いてきたことですが、今週土曜日夜が締切です。

こちらからアクセスして出しましょう。私は今、以下のように出しました
2000字程度が上限のようなので、2回にわたって出しました。

以下、多少でも参考になれば幸い。

1 パブリックコメントの募集のやり方について

(1) 一度撤回して説明・公聴会をすべきである。【理由】意見募集の対象は8件の省令案等であり、縦書きのものを横に公開しているので、首を横にするか、8件をプリントアウトしなければ読めない。関連資料も膨大で、「審議会資料」や「基準案のポイント」に至っては、審議会資料の中からそれを探し出さねばならない。これでは、読む気を失わせるか、怒りに打ち震えさせて、意見を出させないためにやっているとしか思えないからである。意見を募集する気があるなら、また、除去土壌の再生利用について国民の理解を醸成したいなら、一度、省令案を撤回して説明・公聴会をすべきである。

(2) 関連箇所をコピーアンドペーストで「引用」できるようにすべきである。【理由】意見するために、意見する該当箇所をコピーアンドペーストしようと思ってもできないからである。いちいち打ち込まねばならず、国民の時間と、電力エネルギーをその分、無駄にするからである。

2「1 放射性物質汚染対処特措法施行規則の一部を改正する省令」と「2(4)復興再生利用に用いる除去土壌の放射能濃度」ほかについて

(1) 省令改正ではなく法改正を国会に提出すべきである。【理由1】これは「法第41条第1項の環境省令で定める除去土壌の処分のうち復興再生利用」についての省令だというが、他の環境法令では、「処分」と「再生利用」は区別されているからである。まして「復興再生利用」には、これまでの「再生利用」とは違う目的が含まれている。【理由2】この省令案の中で「復興再生利用( )の基準は次のとおりとする」として、括弧の中で「復興再生利用」を、「事故による災害からの復興に資することを目的として、再生資材化(除去土壌について、用途に応じた必要な処理をすることにより、盛土、埋立て又は充填の用に供する資材として利用することができる状態にする行為をいう。)した除去土壌を適切な管理の下で利用すること(維持管理することを含む。)をいう。以下同じ。)」と定義しているが、これは特措法第41条に書かれた「処分」からは読み取れないからである。

(2) 除去土壌は、「低レベル放射性廃棄物」として最終処分すべきである。【理由】環境省は、2024年1月12日「除去土壌等の最終処分に関する安全確保について」p.2で、8,000Bq/kgは「分類上は低レベル放射性廃棄物に該当する」と整理しているからである。

(3) 国際原子力機関(IAEA)に指摘されたように、除去土壌の再生利用に関する事業者と規制者を分離すべきである。【理由】IAEAは環境省の取り組みはIAEAの安全基準に合致していると述べたが、それには、規制機能が事業実施機能から独立している助言を踏まえてのことだからである。

(4) IAEAが報告書(第2回専門家会合報告(英語版p.12)および最終報告書(英語版p.24))が指摘したように、除去土壌を再生利用する線量については「地域住民や自治体などの利害関係者との協議によって決定される」が制度に明記されるべきだ。【理由】IAEAが環境省の取り組みはIAEAの安全基準に合致していると述べたのは、その認識に基づいているからである。

(5) 省令案には、除去土壌の再生利用をしようとする際の情報公開や地域住民への説明や公聴会、協議義務が書かれていないが、最低でも書き込むか、法改正をして早期段階における住民参加と情報公開義務について定めるべきだ。【理由】IAEAが環境省の取り組みはIAEAの安全基準に合致していると述べたのは、線量が利害関係者との協議によって決定されるとの認識に基づいているからである。

3 「2(4)復興再生利用に用いる除去土壌の放射能濃度」について

(1) 復興再生利用をするのであれば、「除去土壌の放射能濃度」は8,000Bq/kg以下ではなく、原子炉等規制法にもとづくクリアランスレベルと同等の100Bq/kg以下とすべきである。【理由】原子力規制委員会は、原子炉等規制法においては、「『汚染土壌』に含まれるセシウム137の平均放射能濃度が100Bq/kgを超えている場合は、クリアランスを超える」と述べている(2020年6月10日「クリアランス規制等の見直し案に対する意見募集の結果について」p.4)。ダブルスタンダードを作り出すべきではない。

(2) 「除去土壌の放射能濃度」の8,000Bq/kg以下は撤回すべきだ。【理由】環境省は「管理」をするから原子炉等規制法に基づくクリアランスレベルとは別物だと主張してきたが、8,000Bq/kgが100Bq/kgに減衰するまでには約190年かかることを環境省は検討の中で認識している。にもかかわらず、今回の省令案では、管理年限について記載がない。

(3) クリアランスレベルとのダブルスタンダードではないと主張するなら、復興再生利用に用いる除去土壌の放射能濃度が100Bq/kgに減衰するまでの期間を厳重な管理年限として定めるべきだ。【理由1】堤防、道路などあらゆる公共施設は、自然災害や劣化、メンテナンス工事などにより崩壊もしくは掘り返されることにより、内部から土壌が流出飛散することは避けられないし、回収もできない。拡散して薄まるという詭弁を弄するべきではないからだ。【理由2】省令案(第58条の四)には、測定や記録等の情報の保管期間を「復興再生利用の終了するまで」としているだけだ。肝心の管理そのものの期間を定めなければ、意味をなさない。【理由3】「クリアランスレベルとは違う」という根拠(管理すること)に、法的拘束力を持たないことになるからだ。

4「1 放射性物質汚染対処特措法施行規則の一部を改正する省令」について

(1) 復興再生利用事業に就く労働者の健康被害を防止するために、電離放射線障害防止規則(以後、電離則)の適用、または準用を法改正かまたは省令改正で義務付けるべきである。【理由】セシウムが吸着した土壌を扱えば、その全工程(掘削、積載、荷下ろし、再生資材化、荷下ろし、搬入・仮置き、現場施工)で粉塵が発生するからである。省令案では「第58条の4 ハ 除去土壌が飛散し、及び流出しないように、その表面を土砂で覆う等必要な措置を構ずること。」としているが、それだけでは不十分であり、不足の事態にも対応できないからである。

(2) 国際放射線防護委員会の放射線防護3原則を取り入れた省令とすべきだ。【理由1】現在の省令案は、原則1の正当化(放射線を使う行為は、もたらされる便益が放射線のリスクを上回る場合のみ認められる)は欠けている。【理由2】原則2の防護の最適化(個人の被ばく線量や人数を、経済的・社会的要因を考慮した上で、合理的に達成できる限り低く保つ)、すなわち、ステークホルダーとの協議が欠けているからである。

以上

出かけねばならないので、あとでもう少し見やすくします(汗)!

【タイトル画像】筆者作成

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