原発政策の大転換スケジュール
日本は人口と税収が増大した高度成長期の計画や政策を「一度始めたら止められない」国だ。電力事業はその1つだと思う。消費者が再生可能エネルギーを自由に選ぶこともできるはずの「電力自由化」はどこ吹く風、原子力温存策で、自由化を妨げている。
「原子力立国」は失敗
2006年、自民党政権下で「原子力立国計画」なる取り組みがあった。しかし、16年の月日が流れ、当時目指していた原発割合30〜40%は夢と消え、唯一の高速増力炉「もんじゅ」は廃止。核燃料サイクルのもう一つの肝である六ヶ所村再処理工場はもはやいつ完成するのかもわからない(2022年9月5日「日本原燃、再処理工場26回目の完成延期 青森県に伝達へ」日本経済新聞)。
資本主義国では経済合理性を失った原子力発電から離れていく傾向が明らかだと専門家らはいう。それでもなお、独裁体制下で、税金や電力料金を人々から搾取する政策を人々が許すのかどうかという転換期にある。
見果てぬ夢を「グリーントランスフォーメーション」で?
「原子力立国」という表現は諦めたようだが、岸田首相は「産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革、すなわち、GX(グリーントランスフォーメーション)を実行する)」とうたった会議で「原子力立国」の中身を再現しようとしているかのようだ。
原発政策の大転換スケジュール(12月16日現在)
8月24日 総理の一日 GX実行会議
9月22日 経産省総合資源エネルギー調査会 原子力小委員会
10月5日 原子力規制委員会
10月13日 経産省総合資源エネルギー調査会 原子力小委員会
11月2日 原子力規制委員会 高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の検討
11月8日総合資源エネルギー調査会 原子力小委員会
11月15日総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会
11月16日 原子力規制委員会高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の検討(第2回)
11月28日総合資源エネルギー調査会 原子力小委員会
11月30日□原子力規制委員会高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の検討(第3回)
12月8日 総合資源エネルギー調査会 原子力小委員会
12月14日 原子力規制委員会 高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の検討(第4回)
12月16日13時から 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会
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今日ここ。「原子力立国」のように失敗するとしても、問題なのは、既得権益を握りしめた国策に固執して人と時間が浪費され、新しい時代の扉を開けることが遅れることだ。
タイトル写真【朝】
2022年12月15日撮影