ユニバーサルデザインの強化書40 障害の「害」の字について
障害の「害」の字について
「障害」の「害」という字は、一部の人々にとってネガティブな印象を持つ可能性があり、そのために不快に感じる人もいると言われています。この「害」の代わりに、「碍」や「がい」という文字やフレーズが提案されており、行政や企業では「障がい」という表記に変更する動きも見られます。
しかし、障害の認識が従来の医学モデルから社会モデルへとシフトしている現代において、必ずしも「害」の文字を避ける必要があるのでしょうか。障がいという表現によって、一方で特別扱いや過度な気配りを促してしまう可能性も考えられます。
社会モデルの視点から考えると、障害は個人の特性や能力の問題ではなく、社会の構造やシステムが生み出す問題であるとされます。そのため、当事者自身は障害を「被る」立場となるわけですから、「被障害者」という表現がより適切であるとの意見も存在します。
結局、障害や障がいの表現に関しては、社会の認識や価値観の変化に伴い、常に議論と再考の余地があるでしょう。
m.m