ユニバーサルデザインの強化書 232ダイバーシティの3つの型
ダイバーシティの3つの型
ダイバーシティ（多様性）には、企業や組織がその価値を活用する際に重要となる3つの型が一般的に挙げられます。それぞれの型は異なる観点で多様性を捉えています。以下に詳しく説明します。
1. 人的ダイバーシティ（Demographic Diversity）
概要:
人的ダイバーシティは、年齢、性別、国籍、民族、宗教、障害の有無、性的指向など、個人の背景や特性に基づく多様性を指します。
特徴:
・最も一般的に認識されるダイバーシティの型です。
・法規制（例: 男女雇用機会均等法、障害者雇用促進法など）によって促進されることが多い。
・包括的な採用や雇用機会の均等化が主な課題となります。
メリット:
・より幅広い視点やアイデアの創出。
・社会的責任を果たすことでブランドイメージの向上につながる。
注意点:
・表面的な多様性の促進だけでは効果が薄く、インクルージョン（包括性）の実現が不可欠です。
2. 機能的ダイバーシティ（Functional Diversity）
概要:
機能的ダイバーシティは、業務経験、専門分野、スキル、役割、教育背景など、仕事に関連する知識や能力に基づく多様性を指します。
特徴:
・組織の課題解決能力を高めるために重要視されます。
・部署間のコラボレーションや、専門性の異なるメンバー間の協力が重要な場面で力を発揮します。
メリット:
・革新的な解決策の創出や多角的な意思決定が可能。
・プロジェクトチームの成果を向上させる。
注意点:
・違う専門性を持つ人々が協力するため、コミュニケーションの課題が発生する可能性がある。
3. 認知的ダイバーシティ（Cognitive Diversity）
概要:
認知的ダイバーシティは、思考スタイル、問題解決アプローチ、価値観、信念など、個々人の考え方や視点の違いに基づく多様性を指します。
特徴:
・表面に現れにくいが、組織のイノベーションにおいて非常に重要な要素です。
・思考の柔軟性や独創性が求められる場面で特に効果を発揮します。
メリット:
・より多様な視点からの問題分析と意思決定が可能。
・創造性の向上と競争優位性の確立。
注意点:
・思考や価値観の違いから生じる衝突を管理する必要がある。
まとめ
これら3つの型は、それぞれが組織の成長と成功に不可欠な要素ですが、単独で活用するだけでは十分ではありません。人的、機能的、認知的ダイバーシティを統合し、インクルージョンを実現することで、ダイバーシティ経営の本当の価値を引き出すことが重要です。組織の戦略や文化に応じたバランスの取れたアプローチが求められます。
Think Universality.
Think Difference.
m.m