これから英語をやり直そうとする方、そして勉強をしているけれどなかなか上達しない、という方へ
英語をやり直そうかな、でもネットでは情報が溢れすぎていて、結局何から手を付けたらいいかわからない、という方もいらっしゃると思います。
みんなTOEICやってるから、あるいはオンライン英会話楽しそうだから、自分もそこからやってみるかな、と、とりあえず手を出してみる、というのはおすすめできません。
場合によっては、ご自身のゴールに対して大きな遠回りをすることにもなりかねないからです。
まず考えるべきは、英語を使って何をやりたいか、です。英語を学ぶ目標ですね。
具体的には「会話ができる」ようになりたいかどうか。
もし、文字を使ってのコミュニケーション(英文記事を読んだりなど文字での情報収集、メールでのやり取り)ができればいい、というのであれば、
すぐにそれをやるべきです。オンライン辞書もありますし、それで調べながら、自分の興味のあるものを読み進める。
今は自動翻訳も精度が上がりました。
読もうとするものをこれで翻訳すれば日本語訳の出来上がり。自分の解釈が合っているか、と確かめながら読み進めることもできます。← もちろん完璧ではないので、参考程度に
ただし、読むにしても、一語一語うなりながらやっと読めるようでは、英語を読むことが苦痛であるはずですので、やはりある程度のスピードの養成は必要だと思います。そしてスムーズさをもたらすのは読んだ量です。
同じものでも構いません。時間をかけて読んだものを、今度はもう少し早く読むようにする、というのもトレーニングになります。
自力で読みたい、という場合は Graded Readersという、レベル毎に単語の数が制限された読み物のシリーズがありますので、
それで自分がスラスラ読めるレベルのものを見つけて、同じレベルを読み漁る→ 負荷がかからなくなってきたらレベルを上げる、というやり方で進めるといいと思います。
Kindle があれば、その場で試し読みができるので便利です。
メールのやり取りも、読めて書ければいいのですからね。やはりオンライン辞書で調べながら書く。この表現、英語でなんて言うのかな、という時は「〜 英語」で検索すれば、Googleがいくらでも教えてくれます。
また、書くのにも当然DeepLは使えます。言いたいことを日本語で書いて、DeepLで英語に翻訳。
まぁこれでは一切力は付きませんので、自分で書けるようになりたいなら、DeepLは参考のために使用すればいいだけ。自分では思いつかなかったような語彙・表現が使われていることもあるでしょうから、それもまた勉強になるはず。
まったく書けない、という場合は英文を組み立てるための材料が頭に入っていない、ということですので、瞬間英作文を一冊何周もすることで基本的な例文を頭に入れてしまうことです(これは話せるようになりたい、という場合も当然あてはまります)。
「読み書き」ではなく「会話」ができるようになりたい(英語を聞き取り、そして話す)、という場合は、気合を入れる必要があります。
なぜなら、好きなペースでいくらでも時間をかけられる「読み書き」と違って、会話というのは時間的な余裕がない中で、さまざまな作業を並行して行うことが求められ、
(しかも読み書きの時のように、わからないものをいちいち調べる、ということはできず、基本的に頭の中に入っている知識だけでなんとかしなくてはなりません)
そこに対応できるようになるには、必要な作業を自動化させる(頭を使わなくてもこなせる)必要が生まれ、そうなると時間をかけることが不可欠だからです。
→ 例えばゲームの操作なども、自動化のためには1000時間以上が必要になるといわれています
英語で必要な作業はもっと複雑、だからもっと時間をかける必要が出てくると。
TOEICで高得点を取りたい、という場合もこれも含まれます。だって「聞き取れる」ようにならなくてはなりませんし、リーディングの問題量もとてつもないですからね、あれを時間内にこなせるようになるには、頭の処理のスピードを上げる必要があって、
スピードを上げるには量をこなさなくてはならず、そこに時間がかかるのです。
で、その領域ではスポーツと同じような取り組みが必要となります。
詳しくはこちらの記事で書いています。
ですからまずは「読み書き」ができればいいのか、それとも「会話」ができるようになりたいのか(TOEICも含む)、
前者ならのんびり好きなペースで、後者ならガチる必要が出てくる、ということ。
ガチるとは時間をかける、ということ。毎日2時間以上。
というのは、学生時代に真面目に授業を受けて、英語を大学受験レベルで得意科目にできていた、という方であっても、
リスニングに500時間・スピーキングに500時間で、最低でも合計1000時間は必要なはずで
真面目にやっておらず学生時代の「貯金」が少ないという場合は、2000〜3000時間のように必要な時間は増えます。いずれにせよ数千時間レベルの挑戦になる、ということ。
→ 英語が得意・不得意だったかは、かけた時間によって決まります。得意だった、という方はそれだけ時間をかけたというだけ。頭の良し悪しではありません。
ですから「毎日数時間」という取り組みをしないと、一生そこまで届かない → 一生使えるようにならないのです。
英語学習は誰でもできますが、使えるようになるのは一握り。というのは一握りの人しかそういう取り組みをしないから。
ですから、 本当に英語が使えるところまで辿りつこうと思うのであればまずすべきはこちら
このように、僕のtwitterでは、英語の習得に大切なこと(英語のノウハウ・習慣化の方法・あなたを勇気づける言葉・活を入れる言葉)をお伝えしていますので、まだの方は必ずフォローしてください、これが成功への第一歩(笑)
noteでもこういう記事を書いてきています。
で、会話に対応できるようになりたい、と考えるなら、まずすべきは、「英語の音のインストール」です。
これはリスニング力を高める上で必須です(もちろん発音が向上することで、自分が話す英語が伝わりやすくもなります、が、何よりもリスニングのためです)。
英語を「聞き取る」という作業を分解すると
・音をとらえて
・その音がどんな単語から構成されているか把握
・それぞれの単語にまつわる情報(意味など)を記憶から探る
・単語が並んでできたかたまり・文という単位でも意味を取る
・文脈や状況も踏まえて意味を理解する
という段階を経ます。実はとても複雑な作業なんですよね。
自由になる日本語では、全く意識せずにこういうことができますが(それは上のプロセスがすべて「自動化」されているから)、外国語である英語では簡単にはいきません。
で、多くの方にとって、最も高い壁は、「音を聞いてそれがどんな単語からなっているか」を把握する段階です。
つまり情報の入口にそもそも大きな問題がある、ということ。ここに問題があっては、相手の言うことを「理解する」どころではありません。
そして日本人にとってここが難しいのは、こちらが「こう言ってくれるだろう」と期待する音と、実際にネイティブによって発音される音との間に大きな違いがあるから。
例えば日本語化している「キャリア」は実際の英語の career とはまったく違う発音です。
あるいは「プットイットアウト」と発音してくれれば、あぁ put it out だな、とわかるところが、実際には「プリラウ」(あえてカタカナで書くならですよ)のように発音されてしまう
英語のネイティブは、スムーズに発音するために単語同士をつなげたり、音を変化させたり、ということをしますからね。
つまり自分の頭の中の英語の音のデータベースが、実際に発せられる音とはかけ離れている、そうなると、せっかく知っているものであっても、それだと気づけない、あるいは気づくのに時間がかかってしまう
→ 「あれ?今のなんだろう」と考えている間にもどんどん音はやってきますから、わからないものが積み上がってしまう
→ パニックになる
→頭真っ白
これが聞き取れない、という現象の正体です。
もし、頭の中の英語の音のデータベースを、正しく書き換えることができれば、
英語を聞きながら、それがどんな単語からなっているか、をしっかり把握できるようになります。
つまり情報をきちんと仕入れることができるようになる、ということ。
そして使われている単語が全部わかったら、後は「読む」ことと同じ。
ですからまずは、この聞き取りの最大の壁を超えるためにも、正しい英語の音をインストールする必要がある、というわけです。
人間は「自分で出せる音」はしっかりとらえられます。逆に言えば、カタカナ発音をしていて正しく出せないから、英語の音をとらえられない、とも言えます。
ということは、まずは発音を一通り学ぶことが大切。ただしここは時間をかける必要はありません、薄い本を使って、一通りの発音の仕方を確認、自分でも出せるようにする。
こちらの本は Kindle unlimited に加入していれば無料です。
もちろん学んだだけでは駄目で、この音を出したい、と思った瞬間に出せる(自動化)ようにする必要がありますので、そのためには毎日一通りの音を練習する時間を→ 5分程度
で、その上で「音読トレーニング」に取り組みます。
音読トレーニングとは
ディクテーション、シンクロ読みのセットメニューを指します(左が楽にこなせるようになったらこれにシャドーイングを加えます)。
ディクテーションのやり方
これは聞こえた英語を文字にして書き取る、という作業。
音声を流し、一時停止と巻き戻しを駆使しつつ、できるだけ多くの単語を書きます。
で、これ以上もう無理、となったらスクリプトで答え合わせ。
ここで、自分が間違えたものをしっかり分析することが大切。どうしてこう書いたのか、それはこの単語の並びをこうやって発音するからなんだ、と驚く経験を持つ。
あのプリラウって、put it out なの?と驚く経験を
この作業によって、頭の中の「間違った」英語の音のデータベースを、正しく書き換えることができます。
で、和訳を見つつ英文の意味を確認した上でシンクロ読みへ
シンクロ読みのやり方
こちらは手本を聞きつつ、自分の声をそれに近づけるように音読するトレーニング。
その際に手本の音の要素をすべて真似すること(スピードも含む)で、自分の声を手本にシンクロさせるわけですね。
もちろんいきなりは無理なので、まずはスクリプトを見て、正しい発音はこうだろう、と自分で読んでみる → 何度か読んでスムーズに速く読めるようになるまで
その上で音を流しながらスクリプトの文字を目で追い、自分の頭の中での音読とのずれを確認する → 音に合わせて実際に音読する、手本に近づける、という流れで。
→ 時々自分の声を録音し、手本と比較してどう違うかを分析するのも有効です。で、気付きがあったらスクリプトに書き込みましょう。ここは高く、とか、ここのエアの音は強く、など自分で分かるように。
一番大切なこと、それは文字よりも音に意識を集中して、手本の通りに発音しようとすることです。再現しようとすること。
put it out を「プリラウ」と発音しているなら、自分も同様に発音しなくてはならない、ということ。← これは put it out なんだな、と意識しながら(超重要)
また、英語の単語は、メッセージを届ける上で重要な情報となる内容語(名詞・動詞・形容詞など)と、文法的なつながりを示す機能語(冠詞・前置詞・be動詞など)に分けられます。
で、このうち内容語はたっぷり時間を取って発音し、逆に機能語はササッと発音してしまう、のように、単語の種類によって発音の仕方が変わる、これが英語独特のリズムを作ります。
当然これも真似をすること。たっぷり発音しているものはたっぷり、ササッと発音するものはササッと。
さらにはイントネーション(抑揚)も、どこで上げて、下げているかをしっかり聞いてそれも真似する。
のように、手本の音声を細かいところまで観察して、それをできるだけ再現するようにしてください。→ スキルが上がるほどに細かいところにまで注意が届くようになり、より音読の質も上がっていきます。
ただし、ネイティブの音声にあわせて音読する、というのはとても大変。僕自身は根性で回数を重ねることでクリアしましたが、
難しい場合は Audipo などの再生スピードを変えるアプリでスピードを落として合わせ、徐々にスピードを上げる、というやり方で取り組むといいと思います。
もう一つ。理想は音を合わせながら意味も意識することですが、上の作業はとてつもなく大変なので、最初は音を合わせるだけでいっぱいいっぱいになるはず。
ですからまずは音に集中して、合わせられるようになったら意味も重ねつつ音読する、という形で進めるといいです。
※ この意味を重ねる、ということは必ずやってください。英語の習得には大量のインプットが必要で、この場合のインプットとは「理解する」作業。
つまり意味を重ねずにいくら音を真似しても、音の習得には役立ちますが、英語の習得にはそれでは足りない、ということ。
音を合わせられるようになった上で、意味を重ねながら読む、この量を大量に積むことです。
そうすることにより、単語が出てきた順に意味を取っていく力(めっちゃ重要)も養われていきます。
シャドーイングについて
シャドーイングは文字を見ずに音に集中し、聞こえた瞬間に同じように自分の口から出す、結果的に手本の音声から少し遅れてついていく形になるトレーニング。
ですがまずは上のシンクロ読みに集中しましょう。これがスムーズにできるようになったら、シャドーイングは慣れさえすれば楽勝ですから。
基本的には家にいる時にディクテーション → シンクロ読みの順で進めて、歩いている時などスクリプトが見られない時にシャドーイングをする、というスタンスでやるといいと思います。
で、以上のトレーニングに使う教材ですが、おすすめは「速読英単語」シリーズです。この本は、覚えるべき単語が文章の中に散りばめられているという形の単語集。
単語だけが切り離された形ではなく文脈の中で単語を覚えることで記憶効率が高まりますし(それだけ語彙を増やしやすい)、
そしてその沢山の文章を読んで理解する練習にもなりますし、
さらには別売りですがCDもあります(絶対に必要です)ので、聞き取りの練習にも使える
※ →なんと最新版から音声無料になりました!!!
ということで、リスニング、リーディング、語彙の増強と、まさに一石何鳥かわからないほどの教材。
この本を使って、上記の音読トレーニングに取り組む。一冊仕上げる頃には、語彙力も上がり、聞き取りの基礎もできているはず。
聞き取りの基礎とは、音を聞いてそれがどんな単語からなっているかを把握することです。
これを、ご自身のレベルに合わせて使用する本を変えて取り組む。
「必修編」は大学受験レベル(CD別売り→第7版から音声無料に)
「入門編」は高校の内容(音声つき)
中学までの内容に不安がある、という方は中学版を(音声つき)
上のリンク先で、それぞれの本のページのサンプルが載っていますので、それを見てご自身のレベルに合っているのはどれか、見つけてみてください。
文法に関して、もう殆ど忘れてしまったという方はその復習も。こちらは一冊で全部の内容を体系的に学べるものを使い、それを何周もすることでその内容をがっちり自分のものにしてしまいましょう。
ここまでが英語が「使える」ようになるための基礎作り。
ちなみにTOEICの攻略には、こうして聞き取りの基礎を作った上で、
TOEIC用の語彙を頭に入れ
あの大量のリーディング問題をこなせるようになるために「理解のスピード」を強化し、さらには「問題への対応力」も高める必要があります。
そして会話ができるようになりたければ、アウトプット(特に「話す」)の力をつけなくてはなりませんよね。
「理解のスピード」の強化、アウトプットの力の付け方に関しては、自分が提供している動画講座の中で詳しく説明していますので、もしよければこちらをご覧ください。
この中では、英語の文の組み立て方、英語ならではの発想、会話に対応する方法などのアウトプットの力を強化する方法
そして先述の音読トレーニングのやり方も、具体的な例を使って、詳しくお伝えしています。
今回の記事では、どうやったら初心者ゾーンを抜け出すことができるか、ということに絞ってお話していますが、そこからリスニングとスピーキングをもっと高いレベルにまで持っていく方法について説明しています。
長くなってしまいましたが、今回の記事の中でお伝えしたことを踏まえて取り組むことで、見当外れな方向に進んで、時間を浪費することがなくなり、英語が「使える」というゴールに向けていいスタートを切ることができるはず。
あとは実践あるのみ。英語は正しい方法できちんと勉強すれば必ず使えるようになります。
がんばってくださいね。
最後にお願いが。
twitterをやってみて思ったのは、英語に挑戦したい、でも何からやっていいかわからない、という方が沢山いらっしゃること。
今回の記事はそういう方が迷わずに進められるように、メチャメチャ時間をかけて書きました。
よかったと思われたら、この記事が一人でも多くの方に届くよう、ぜひ以下の2つをお願いします。
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それと、もしこのnoteの感想のツイートをメンション付きでいただければ、RTさせて頂きます。
どうぞあなたの力をお貸しください、よろしくお願いいたします。
一人では難しい、という方へ
今回の記事でお伝えしたトレーニングにつきまして、もちろん1人で進めることも可能ですが、 例えば「手本の音声を再現しろ」と言われても、自分がそれができてるかどうかわからない、という方も多いと思います。← これまで沢山の方の音読を聞かせて頂きましたが、一人でこれができる人はとても少ないです。
そんな時にコーチからフィードバックと改善のための指導を受けられれば、スムーズに上達することが可能になります。
そして、勉強を進める中で、「こういう時どうしたらいいんだろう」という疑問や悩みには必ずぶち当たるはずで、そこでその疑問を解消してくれる相手がいれば、つまずかずに進むことができますよね。
また何より難しいのは、モチベーションを保ってしっかりトレーニングを継続すること。日本人が英語が苦手なのは、どうしても英語を使えるようにならなくてはならない、という必要に迫られていないから。
そういう中で一人で継続するのは簡単ではない、ということはよくおわかりのはずです。
英語学習は誰でもできますが、使えるところまでたどり着けるのは一握り。それは一握りの人しか、習得に必要な時間を捧げることができないからです。
ですのでここをサポートするために、音読指導+コーチングの一ヶ月のサービスを提供していますので、一緒に進めたいという方はご連絡ください。
ご希望の方は、まずはこれまでの英語に対する取り組みついてお教えください。
masa@edoors.net までメールをお送りいただくか、あるいは twitter @nakajimaeigo のDM でも対応が可能です。
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