<サスペンス>としての「関羽、五関を過ぎ、六将を斬る」話
映画監督フランソワ・トリュフォーはこう尋ねた。
「映画に<サスペンス>が生まれる状況とは何ですか?」
これに対し、映画監督アルフレッド・ヒッチコックはこう答えている。
カメラが私たち二人を撮っていて、その向こうに観客がいるとする。
それから私たちが話し合っているテーブルの下に時限爆弾が仕掛けられたことを観客は予め知っているとする。
更に観客はこの爆弾が13時ちょうどに爆発することを知っている。
そして今は12時45分。爆発まであと15分だ。
しかし私たち二人はこのまま話し合