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【カナダ旅行記🇨🇦】首都オタワ編 国家が作り出すアイデンティティを知る

Hello World! 世界遺産マイスターのマサムネです!

今回は2024/10/11〜10/14に行ったケベック旅最終章、オタワ編です!カナダの首都であるオタワにある世界遺産の『リドー運河』や『国会議事堂』に向かいます。

↓前回の記事はこちら↓


【世界遺産】『リドー運河』について

世界遺産『リドー運河』は、2007年に世界遺産に登録された運河で、北米で最も古く、現在も使用されている運河システムのひとつである。

運河の長さは約202km、水門の数はなんと47個。首都オタワからキングストンまで伸びている。

元々はアメリカの侵攻を防衛するという軍事目的として運河が利用されていた。現在は商業や、レクリエーションの場として活用されている。

特徴的なのは、門を手動で開閉するシステムが当時の技術のまま継承されていることである。時間になるとスタッフが実際に門を手回しで開け閉めしている様子を見ることができる。

4人体制で左右2人ずつで開け閉めを行う。

1. 銀に光る2本角『ノートルダム大聖堂』

8:30、起床。この日はオタワ周辺を散策するのみであったので比較的のんびりしたスタート。

『国会議事堂』、『ノートルダム大聖堂』などこの日行く予定の場所がホテルから一望できる。
オタワの観光名所は比較的中心部に集まっているので観光しやすい。

街を散策する。早朝だからか人はまったく歩いておらずゴーストタウンのような静けさ。

街にあったガイコツの写真を撮っていると「俺の犬も撮ってくれ!」と声をかけられたので記念にパシャリ
羊の謎のオブジェ、口から何か出ている。
ポッキーゲームが海を超えた瞬間である。
オタワのポストは販売中止になったチェルシーのパッケージのよう

9:30、『ノートルダム大聖堂』に到着。早速入ってみようかと思うも、この日はカナダのThanksgiving Dayで変則的なスケジュールのため、この時間帯は空いておらず。

仕方がないので聖堂の周囲をふらっと歩き外観だけ見て撤退。

先端部は不自然なほど銀色に輝いていた。
ケベックで見た『ノートルダム大聖堂』と異なり、シンメトリーに塔が立っている。

『ノートルダム大聖堂』の向かいにはガラス張りの『ナショナル・ギャラリー・オブ・カナダ』。ナショナル・ギャラリーというと少しお堅いイメージがあるがガラス張りのためか、外観はとてもモダンな感じ。

美術館の前にはクモのような大きな彫刻のオブジェ。
六本木の森ビル前にも似たようなオブジェがあったような気が…。

9:40、紅葉が若干見られる広々した広場『メジャーズ・ヒル・パーク』へ向かう。ここで作業している人の肥料の巻き方が豪快で撒くたびに斬撃のような音が鳴っていた。

木は緑が多いが芝には黄色い紅葉が落ちており秋を感じさせる
街中にはトーテムポールのようなデザインをした彫刻がいくつか見られる
オタワの街の模型。観光地は中心部に集中しており観光しやすい街である。

2. 愛すべきアナログ『リドー運河』

9:50、広場の横に川が流れており、たまたま川を眺めていると目的としていた『リドー運河』が見られた。

ちょうどスタッフの方が船を出航させるために手回しで門を開閉しているタイミング。
門を開けることで次の門までの水位を同じにし、その勢いで船を進ませるという流れ。
門の開閉は4人でおおよそ1分程度で行われているように見えた。

眺めているとラスト2個で川に出航してしまいそうだったため、せっかくなら近くで見てみたいと思い運河の辺りまでダッシュで向かう。

水位はかなり変化しており、船の頭は地面の高さよりも低くすっぽりとおさまってしまう。
画像の壁の色の濃くなっている部分が元の高さである。

5分ほどダッシュして無事に到着。近くに来てみると話しながら楽しそうにハンドルを回しつつも、手だけでなく身体を使って回していることや、足元に水筒を持っていることをみると大変そうな作業である。

手回し機は錆からかキコキコと音を立てており、歴史を直に感じることができた。

10:20、無事に最後の門が開門し船は出国していった。最後の門付近に観光客は5人ほどおり、年齢層は比較的高齢の方が多い印象。

奥に見えている橋を境にオンタリオ州とケベック州が分かれている。
門が閉門するとその門は橋として機能し実際に渡ることができる。

門は日中は開閉が繰り返されているらしい。しかし全長は200kmほどあるため、今回はたまたま運よく見られたが、どこの門がいつ開くかはよく分からない。

水位が下がった運河にはカモがここぞとばかりに水を飲んでいる様子が見られた。
このまま水位が戻ったら自動的に上がってくるのだろう。
当時から使用されている手回し機、年季を感じる

3. 大改修!『国会議事堂』セントラルブロック

10:30、運河を後にし、広場の向かいにあった『国会議事堂』を目指す。

英米戦争(1812 - 1815)をテーマにした銅像。生きたまま銅像にされたような躍動感。
オタワには戦争関連の銅像が多く、銅像は複数体がまとまって作られているため、迫力がある。

10:40、『国会議事堂』に到着。メインの建物(セントラルブロック)はとんでもない規模の工事をしていたため、メインの建物は入ることはできず…。

時計台と同じ高さのクレーンも国会議事堂の一部なのではないかと錯覚するような存在感。
「カナダの百年記念炎」の周囲はカナダの州・準州を象徴する紋章で囲まれている。
ガスによって炎が供給されているため、燃え続けることができている。
カナダは何かと自国のメープル柄の国旗を目にする印象である。
時計台には人やヒョウの形をした石像がひょっこりと4本ほど生えており、その下にはゴブリンのような石像があった。
カメラで相当拡大した図。
祈っている人のような姿が見られる。
こちらはゴブリンらしき石像。
「悪霊を追い払う」という意味から建物を守る象徴とされているらしい

セントラルブロックの左右にある建物については工事はしていなかったため入ろうとしてみると、なんと事前に予約が必要であった…。

以前行ったワシントンでは予約必須の建物の当日予約は全滅。嫌な予感が脳裏をよぎったが、なんと1:30、2:30の2枠のみ、ウェストと呼ばれる時計台に対して左側の建物の枠が空いていたので即予約。

ウェストブロック。The 西洋らしい建築様式。

他にもイーストに関連したツアーなど何ヶ所か用意されていたが、すべて満席で建物を選ぶ余地はなかった。

イーストブロック
屋根の一部が緑色で建物の横幅がかなり広い。

10:50、議事堂付近にある小上がりになった丘に向かいの街を眺める。川を挟んで向かいの街や、セントラルブロックを工事している様子を見ることができた…。

改修工事は2030年以降も続く予定らしい。
向かいのケベック州は緯度が高いためか紅葉している様子が見える。

ツアーまで時間があったので、一旦ご飯を食べに行くことに。この日のご飯は、ワシントンでもお世話になったNando's PERi-PERiこの日は気温も低く、辛いもので内側から温めようという魂胆である。

↓PERi-PERiチキンを食べたり、事前予約なしで挑んだ様子はこちらから↓

11:20、Nando's PERi-PERiに到着。街の中心部からほんの少しだけ歩いた場所に店舗は位置しており、窓から眺める景色には車通りも人通りも少なく首都とは思えないほど静かであった。

バーガー(左側)の辛さはMedium、チキン(右側)の辛さHotで身体の芯から温めていく。
チキンサンドイッチ(14.99カナダドル、約1,650円)、PERi-PERi チキン 1/4 (15.29カナダドル, 約1,680円)
街中にあったクマの銅像。下半身が貧弱なのでもし出会った場合は膝カックンで倒そう。

4. 後世に残すは『カナダ国立戦没者記念碑』

12:30、ご飯を食べ終えて、再び中心部に向かう。少し歩くと『カナダ国立戦没者記念碑(National War Memorial)』があった。

第一次世界大戦(1914 - 1918)をテーマにしている。
立派なモニュメントともに、銅像の脇には生身の人間がピクリともせずに立っていた。

どうやら秋頃の観光シーズンや記念日に兵隊さんがこのように立っているらしい。1時間ほどで交代している感じであった。

交代後、立っている時とは異なり笑顔が見られた。大きなバグパイプの音楽と共に交代し。

モニュメント向かいにオフィシャルな格好をした人がバグパイプを弾いておりその演奏が町中に響き渡っていたので見に行ってみる。しかし、よくみると非公式で、「本場スコットランドに行くためのお金を貯めている」とのこと。

先ほどの交代式の際と同じ演奏が行われており、公式に吹かれている際には演奏を止めていた。
頑張って欲しいとの思いもあり、持っていた5カナダドル札と少しの小銭を寄付。
(決してこちらが小銭の処理に困っていたわけでは無い…。)

12:45、先ほど変則的な時間割により入れなかった『ノートルダム大聖堂』へリベンジのため向かってみるが、今度はミサをやっており入れず…。結局、この日は入ることができなかった。

12:50、オタワモニュメントに到着。撮影のために人が少しいなくなるのを待っていると「写真撮りマショカ?」と老夫婦に日本語で言われ撮ってもらうと、「私たちも撮ってください」と言われためお礼に撮影。

しかしスマートフォンの言語を見ると中国語で表記されており、「写真を撮りましょうか?」という日本語だけ覚えているのではといった憶測を呼んだ。意外とこのコミュニケーションは使えそうである。

ここぞとばかりに観光客が撮影しあっているため、誰もいない状態で撮影をするには一瞬の隙をつく必要がある。

5.『国会議事堂』ウェストブロック潜入

13:00、『国会議事堂』ウエストブロックツアー集合場所に到着。ツアー開始は13時30分、30分前に集合とチケットに書いてあったため時間通りに来てみる。

入場はまずパスポートを提示して、セルカ棒のようなものが付いたカメラを一時的に回収される。DJI のカメラは棒はついていないがとりあえず回収された。

時間通りに向かったが誰も来ていなかった。
川を隔てた先に公用語がフランス語のケベックがあるため、フランス語と英語でのツアーが開催されている。フランス語を話すカナダ人の割合は約20%ほどらしい。

13:50、ツアー開始予定時刻から20分ほど遅れて人が集合しツアー開始。後から開催予定のフランス語班が先に開始するという惨事。

まず、エントランスで説明を受ける。ガイドのお姉さんが最後に「議事堂内は写真撮影OK!私も一緒に撮ってもOK!ただ横からは撮らないでね!ジョークよ!」と毎度恒例のガイドによるかましである。

この日はフランス語の解説ツアー参加者は2組程度で、英語は20組程度の参加者がいた。

エレベーターで3階に向かう。最初に案内されたのは、セントラルブロックが改修工事のため現在はカナダ議会の仮会議場として使われている場所。

議会の中でもイヤフォンによってフランス語、英語の2種類が流れる様な仕組みになっている。

下の階に降り、先ほどの会議室の手前にある銅像や肖像画の説明を受ける。

初代女性大統領キム・キャンベルの肖像画。肖像画の背景は黄色など自分自身で選べるらしい。
次の部屋へと案内される。この会議室ではランチミーティングなどをするらしい。
天井の作りがおしゃれである。
途中に、5カナダドル札の肖像画の人がおり、5カナダドル札と一緒に撮影している人がいた。
先ほどバグパイプを吹いている人に適当に5カナダドル札をあげたことを悔やんだ。

14:50、40分ほどのツアーを終え、建物の外に出る。この時間になると観光バスがずらりと立ち並んでおり、早朝のゴーストタウンらしき片鱗は跡形もなくなっていた。

6.『バイワード・マーケット』でオバマクッキー

15:00、カナダ旅最後の目的地、『バイワード・マーケット(ByWard Market)』入り口に到着。

オバマが大統領を務めていた時期にオタワを訪れ、このクッキーを買ったことで一躍有名になったオバマクッキーを買って食べてみる。

赤いクッキーがすべてオバマクッキー(4.75カナダドル, 約520円)。
在庫が捌き切れるのか疑わしい量が生産されている。
クッキー自体に特別な感じはまったくなく、日本でよくみかけるしっとり系のクッキーにアイシングされたようなものだった。

15:10、『バイワード・マーケット』のメインの建物のひとつである『バイワード・マーケット・スクエア』に到着。

しれっとマーケットは始まり、気づいたら終わっているので見逃し注意。
古くからあるようなやや年季が入った店舗が並ぶ。
各種店舗の色味は結構派手目である。
2階には歴史を説明した展示会場的なブースと、謎のオブジェが吊るされていた。
外では中東系の音楽フェス?がとんでもない盛り上がりをみせていた。
言葉の力と独特のリズム感、素通りしただけであったが全体的にパワーを感じた。

この辺りは街中のいたるところにストリートアートが描かれていた。渋谷やニューヨークなどにあるスプレーアートのようなものではなく、少しファニーなテーマの絵が描かれていた。

ワニワニパニック(物理)

15:20、フライトの時間まで時間が少し余ったため、近くにあるトーテムポールを見に行ってみる。

都会的な街並みの中に申し訳なさ程度に立っていたトーテムポール。

15:30、空港に行く前にコーヒー店Opulence Coffeeに向かってみる。豆から仕入れ、自家焙煎を行っているこだわりの珈琲店。

カウンターにはいろいろな物がビニールシートの下に飾られており、店主の昔の日本のパスポートが展示してあった。「日本のパスポート…!」とこちらが思わずボソッと口にすると、店主が「なんだ!日本の方ですか!」と流暢な日本語で突然話し出した。

メニューだけでなくびっしりといろんな国のコインが飾られている。

聞くところによると、店主は以前に日本で料理人として数年間、東京、名古屋、大阪などで働いたことがあったらしい。

序盤は英語でオーダーしていたのに最終的には「二子玉川、分かりますか?にこたま!」、と言ったかなりローカルな会話を楽しみ、まるで日本で会話をしているような不思議な空間であった。

丁寧に入れられたコーヒーを購入し、オタワ空港へ向かう。

16:30、オタワ空港に到着。ここから2時間ほどのフライトでニューヨークへ帰国。これにて今回の旅はおしまい。

空港でTim Hortons、旅の締めには甘いものを。

旅を終えて

今回はケベックやオタワと言ったカナダの東側を中心に旅をした。この時期のカナダは紅葉などの関係で観光客が多いが、各種目的地へ早朝(8時ごろ)に到着することで混雑を避けることができる。

カナダという国は、多くの建物にメープルの国旗が掲げられ、戦争関連のモニュメントも数多く残されており、アイデンティティの主張が強い国だと感じた。先住民、フランス系カナダ人、英語圏のカナダ人といった多様な文化が共存するカナダでは、アイデンティティを確立し、統一性を持たせることが国家として重要なのだろうと考えさせられる。

こうした観点は日本ではあまり見られないように思う。異なる文化の違いをこのような視点で見るのも、国家についての新たな発見であり、旅の醍醐味の一つとも言えるだろう。

また、今回の旅では世界遺産として『ケベック旧市街』と『リドー運河』の二つを回った。どちらも、カナダのバンフ国立公園にある『レイク・ルイーズ』のような世界遺産ど真ん中といった派手さはなかったが、世界遺産としてなぜ登録されたのか、といった観点で見ると色々と見るポイントが増えて面白い。

『リドー運河』に関しては実際の動きがあり、ある意味では他の世界遺産よりも見応えがあるようにも感じた。

それではまた次回!

『リドー運河』橋の上にて


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