価値がモチベーションを上げる
何かをやり続けるには、ある程度のモチベーションが必要になる。
「やる気」と言うものだ。
やる気!
負けん気!
根気!
今はなき営業会社で毎朝唱和させられた。
モチベーションが重視されていた証拠だ。
モチベーションのことをよく口にする同僚もいた。
「今日はテンションが低くて…」
たいていは売れない営業マンの言い訳だったように思う。
人間なので、確かにその日その日で気分が乗らない日はある。
体調や個人的な事情によって志気が上がらないことはある。
好きなことをやるのなら、モチベーションは維持しやすいが、好きでもないことを仕方なくやるのなら簡単にモチベーションは下がってしまう。
たとえ好きで始めたことであっても、始めた理由が段々と希薄になればモチベーションは下がってくる。
初志貫徹は、言うほど簡単なことではない。
時が経てば初心は希薄になりどこかへ飛んで行ってしまう。
そして、何のために自分は続けていたのか疑問となり立ち止まってしまう。
自分は仕事を何のためにやっているのか?
・お金のため
・生活費を稼ぐため
・家族のため
だから、仕方なくやっている。
労働者としては極めて当たり前の答えだ。
自分と家族の命を守るために続けている。
モチベーションを保つためには、続けるための価値が必要だ。
仕事そのものに対する価値を見出すことは、モチベーションに大きく影響する。「労働」が「仕事」へと昇華される。
家族のための価値だけではなく、自分自身のための価値。
すなわち、仕事に価値を見出す工夫が必要になる。
たとえば、それは仕事ではなくても、
・一銭のお金にもならないこと
・何の見返りもないこと
・誰からも褒めてもらえないこと
・誰の目にも止まらないこと
そんなことを続けて行くことは自分に可能だろうか?
もしも、それが出来るとしたら、
なぜ、何の見返りもないのに続けることが出来るのか?
それこそが自分にとって真に価値のあることかもしれない。
以前、出勤途中の公園で毎朝掃除をしている50代くらいの女性をよく見かけた。広い公園中の落ち葉をたった一人でコツコツとかき集めていた。
寒い冬の日も暑い夏の日も休まず掃除を続けていた。
その女性はいつも私服であったので市の職員ではないようだった。
おそらく個人のボランティアだったろうと思う。
自分の家の周りだから掃除をすれば気持ちがいい、というだけかもしれないが、その範囲を大きく超えていたように思う。なかなかあの広さを一人で毎朝やれるものではない。
あの女性にとっては、そこまでやる価値があったのかもしれない。
自分にとって価値がなければ続けて行くことはなかなか難しい。
価値は、御大層なことでなくてもいいのかもしれない。
ただ、それが楽しい。気分がいい。
それも大きな価値なのだろう。
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