『1917 命をかけた伝令』たった一か所のカットに感じたこと。
「それから1年の時が経った」と書けば、わずか1秒で、1年の時を経ることができる。
その意味で物語は、人類が時間という無常な暴君を切り刻むための、ひとつの手段として開拓されてきた。思えば映画はこれを、“カットを割る”という技法を用いることで達成してきたのではないか。様々な時間軸を、時には並列に、時には点々に演出する。考えるにそれを逆手に取り、原点回帰として時間をあくまでも直列として繋いだらどうなるか、という発想で生まれたのが、たぶんワンシーンワンカットという技法なんだろうと思う