【飲食店向け】自前でのデリバリーの始め方(マーケティング編)
実家が新木場で新木場食堂「丸惣」を営んでいますが、新型コロナの影響を受け、デリバリーを始めることになりました。特にIT周りに関してデリバリー立ち上げのサポートをしましたので、その内容を共有させて頂きます。同じ内容を丸惣デリバリーのブログにも記載しています。
はじめに
自前でデリバリーを始めてから約1ヶ月がたちました。おかげさまで注文も徐々に増えてきており、某有名デリバリーサービスが公表している、デリバリーサービス内での平均的な店舗の1ヶ月の注文数を初月にして上回ることができました。自前でデリバリーを始める場合には、最初の認知度がほぼゼロですので、それを考えるとまずまずのスタートを切れたと思います。(注文してくださっている皆様ありがとうございます!)
自前でデリバリーを始める場合は、デリバリーサービス(Uber Eatsや出前館等)に頼むのと違って、自分でマーケティングをしなければ集客ができません。裏を返せば自分達の工夫次第で色々なマーケティングが出来るということですので、ある意味可能性は無限大です。
飲食店の規模や形態によって参考にならない項目もあるかもしれませんが、皆様のお役にたてばと思い、この1ヶ月の間で、丸惣デリバリーで認知度を向上させるためにどんなマーケティングをしたのかについて、丸惣デリバリーではあまり役に立たなかったものも含めて共有してみたいと思います。前提として丸惣デリバリーは家庭料理とお魚をメインで提供しており、客単価2-3千円程度、高頻度でリピートしてくれる方が多いデリバリーとなっています。店舗営業の場合は、料理と同じぐらいお酒も売れているのですが、デリバリーの場合はお酒の販売は今の所実施していないので、100%家庭料理とお魚の売上です。
ちなみに私達の店舗がある東京都では、飲食店が新規にデリバリーを始めるにあたって業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業という助成金が頂けます。100万円まで最大4/5が助成され、販売促進費もその対象に含まれます。東京都の方は是非ご検討ください。(東京都以外でも色々あるみたいですので、探してみてください。)
チラシ
最初の段階ではチラシが一番効果的でした。丸惣デリバリーでは店舗のある新木場駅から半径3km以内(車で片道10分以内程度)のエリアにチラシを配布しました。
ラクスルというネット印刷サービスでチラシを印刷し、ポスティング業者にポスティングをお願いしました。ラクスルでも印刷したものをそのままポスティングできる便利なサービスがありますが、ポスティング部分は専門業者に頼んだ方が価格的には安いと思います。
チラシのコンバージョン率(=注文数 / 配布したチラシ数)は大体0.3%ぐらいでした。丸惣デリバリーでは、有り難いことにリピーターの方が多いので、充分に費用対効果はあったと思います。
チラシはすぐに反応がありますので、初めてデリバリーをやる方は、配達含めた運用負荷がどの程度のものなのかを確認してから大々的にチラシを配った方が良いと思います。丸惣デリバリーでは、まず一部のエリアにチラシを配り、どのぐらい反応があるのかと運用周りを確認してからエリアを拡大しました。それでも一度注文が想定を大きく上回ってしまい、てんやわんやになり、一度体制を立て直したということがありました。
ちなみに、同じく新木場の店舗から半径3km以内のエリアに新聞広告としてチラシを配布しましたが、そちらについてはあまり効果はありませんでした。丸惣デリバリーの場合には、新聞の購読者層とWEBデリバリーを注文する層は異なったようです。
また店舗の前にチラシを置いておくという方法は意外と効果があります。1日に数人の方がチラシを持っていってくれますし、地元メディアが取り上げてくれたりします。
GOOGLE マイビジネス
インターネットでデリバリー検索している人やGoogle Mapでデリバリー検索をしている人に、お店のデリバリー情報を告知することも効果的です。
Google マイビジネスに、COVID-19に関する情報を登録すると、Google検索で店舗の情報が表示された際に、デリバリーをやっていることを告知できます。
Google マイビジネス > 投稿 > COVID-19の最新情報
また、サービスオプションに「宅配」や「非接触デリバリー」を登録すると、Google Mapのデリバリー検索で店の情報が表示されるようになります。
Google マイビジネス > 情報 > サービスオプション
GOOGLE広告
Google広告はエリアを絞って出すことが出来るため、デリバリー対象エリアのユーザのみに広告を表示することができます。
丸惣デリバリーでもGoogle広告を出しましたが、広告のクリック単価が約45円程度で、ECサイトに来てからの注文率も低かったため、現在Google広告はやっておりません。
FACEBOOK広告
Facebook広告もエリアを絞って出すことが出来るため、デリバリー対象エリアのユーザのみに広告を表示することができます。さらに性別や年齢、属性等も絞ることができます。
一見良さそうなのですが、実際広告を出してみると、Facebook広告からの注文はほとんどありませんでした。
確かに私自身の場合を想像しても、Facebookのタイムラインにデリバリーの広告が流れてきたとしても注文しようとは思わないかもしれません。。Twitterのように検索ツールとしても利用されているSNSの方が効果は高そうです。
レストラン情報サービス(RETTY、SARAH、食べログ)
Retty、SARAH、食べログでも自身のお店情報にデリバリー対応している旨を表示することができます。丸惣デリバリーにもこれらのサイトから日々一定の流入があります。
Rettyは、無料お店会員登録をすると、デリバリー情報を登録できます。(詳細)
SARAHは、お店のSNSアカウント(Twitter、Instagram)から、ハッシュタグ「#うちで食べよう」 をつけてメニューに関する以下の情報を写真と一緒に投稿するとSARAHの方が情報を拾って掲載してくれるキャンペーンを実施してくれているようです。(詳細)
【メニュー名】
【価格】
【形式】デリバリー/テイクアウト
【メニューの一押しコメント】
食べログは、自身のお店ページより、 「店舗情報(詳細)」→ 「編集する」で、URLやSNSアカウントの情報が追加できます。
地域のまとめサイト
私達のお店がある江東区では「江東区 food action!」というFacebookページを設けてくれている方がいらっしゃいまして、そこに私達の店の情報も投稿させてもらっています。
それぞれの地域で、テイクアウト/デリバリーができる飲食店を集めたまとめサイトやFacebookページがあるかもしれませんので、是非確認してみてください。
BLOG, SNS(INSTAGRAM、TWITTER、FACEBOOK)
お店に来店してもらうのと違い、デリバリーの場合には、どのような雰囲気のお店なのかが伝わりづらいです。お客さんに、抵抗感無く安心して注文してもらう為にも、また少しでもお店のことを好きになってもらうためにも、BlogやSNSでの情報配信は効果的です。最終的にはBlog, SNSがデリバリーがうまくいくかどうかを分ける大きな要因になると思います。
丸惣デリバリーではBlog, Instagram、Twitter、Facebookにて情報配信をしています。Blog、Instagram、Facebookは、「店主の義理娘のきまぐれ雑記」等のお店の雰囲気が伝わるような投稿をしています。Twitterでは最新メニューや数量限定特価商品の情報等のお店の最新情報を配信するようにしています。さらにBlogでは、他の飲食店の方の参考になるよう本記事のような自前デリバリーのティップスも配信しています。
丸惣デリバリーでは、Facebookからの流入が一番多いのですが、注文を頂けるのはTwitterからの流入が一番多いです。