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ゴミの気持ち

物欲には波があると思っている。ここ最近、前ほど強く欲しいと思わなくなった。
欲しいものはもちろんあるけれど、目を捉えなくなった、という感じに近いかもしれない。
見てもあまり強く惹かれない。今、収入がないのでそう思うのかもしれない。あったらあったでそれに比例して物欲も出てくるのかもしれないと思ったりもするけれど。
目が異常に疲れているようで、たくさんのものが目に入るとしんどいなと感じるようになった。
椎名誠さんの『遺言未満、』を読んだ影響もあるかもしれない。
残すことばかりがいいことでもないなと思う。ならば、本当に大事なものだけを残していく。
わたしごときの小さな脳みそで管理できるものなんか、たかが知れているなと思いながら、ゴミ袋に詰めていく。
きっとまた増えるよなぁと苦笑いしながら、いくつもできたゴミ袋を眺める。
以前、マンションに住む友達が、張り紙をしたのだというので、見せてもらったことがある。
〈もともとはゴミも必要なものだったんだね、ありがとう〉
イラストつきでゴミの日の張り紙を作ったのだそうだ。
最初からゴミなんてものはなくて、必要だったものであり、必要だと感じた自分も確かにいたわけで。
素敵だなと思った。〈要らないもの〉も最初は〈要るもの〉だったのだから、感謝なのだ。
それを思い出し、「いかんいかん」と呟いた。
忘れていることがたくさんある。大事なことほどすぐにこぼれ落ちてしまうんだなぁと、そのこともまた忘れていた自分に気づいてさみしくなる。
そうやってさみしくなって、やっと秋が来たんだなと思ったのだった。

#エッセイ #断捨離 #ゴミ #捨てる #要らないもの



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つづき
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