オレンジ色のてつがく
がんばっているのに結果が出なかったり、空回りしてるなと感じるようなとき、明日は今日とは違う日になるかもしれないのに、永久にこんな日が続くかのように錯覚してしまう。
わたし、あと30年、40年、このまま生きていくのか……遠い目になったりするけれど、人はそんなふうに考えてしまう生き物らしい。
心配しなくてもこのままでいられるわけがないし、良くも悪くも変化はつきものだから、こんなに真面目に絶望する必要もないのはわかっているんだけど。
前に向田邦子さんのエッセイを読んで、感じたことがあった。
彼女は飛行機の事故で亡くなっているけれど、エッセイには、自分はどんなふうに歳をとっていくのだろうと書かれていた。
あまりにも普通の顔をして明日がやってくるものだから、わたしたちは毎日、それが続くのだと錯覚する。
人だけがいつか死ぬことを知りながら生きているけれど、もしかするとそれはけっこう過酷なことなのかもしれないと思えてくる。
考えても仕方ないのに、こういうことを考えるのが嫌いではない、でも、まぁ、暗い、とは思う。
工藤直子さんの『てつがくのライオン』が大好きである。
あんなてつがくなら、ずっとしていたいと思える。
沈む夕陽みたいに、きれいだといい。
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