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創作に必要なもの

ガウディはこうもいいます。
「独創的であろうと望むべきでない。
いかなることも過去になされたことに
基づくべきである。そうしなければ、目的には
達せず、過去何世紀もの間になされてきた
あらゆる失敗に陥いるであろう。過去の教えを
蔑むべきでない。各人は各人の様式を内に持ち、知らず知らずのうちに出るものである」
このことからは、歴史主義の建築が生まれるでしょう。また、発見する場所は、過去のみならず、
同時代の現在にあることも忘れてはなりません。

「独創性は探すべきでない。そうすれば、とっぴさに陥るからだ。普段なされていることを観察し、それをより良いものにしようと心掛けることが大切である」

現世界を観察し、そこで発見したものから出発し、より良いものにしようとすること、これが
独創性への正道だというのです。このより良いものをより理にかなったものとするなら、合理主義の建築の探求を意味することにもなるでしょう。

このように言いながらも、ガウディはその初期のうちに多彩色建築とパラボラ・アーチを生み出しています。これらは明らかに「独創性を探した」
結果であるでしょうし、当時のバルセロナでは
「とっぴさ」に秀でた建築でしょう。しかし、
タイルによる多彩色はレンガ造の防水・防塵に
寄与し、放物線は力学が証明する極めて合理的な
形態です。晩年のガウディは独創性を求めるべきでないと言いますが、しかし、若者にその気概が
なければ、忍耐する必要も努力する必要もなく、
独創性に達することもないでしょう。


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