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「君たちはどう生きるか」超主観的鑑賞メモ

 映画「君たちはどう生きるか」を見て来ました。
 感想と言えるほどまとまったことが書けません。(原作も読んでません)
 この作品は解釈とかメッセージを探ろうとしない方がいいのかなと思いました。
 登場人物と、一見無秩序に繰り広げられるストーリーに、見る人それぞれが自分の内側を投影する。そうすることで心の中で何かが動き出したり、浄化されたりする。それだけでいいのかなと思いました。

 ここでは見ていて湧いて来たキーワードを書き出してみます。
 かなりネタバレしていますので、お読みの際にはお気をつけください!!

 まずざっくり言うと、これはある一人の少年の成長の物語です。成長・・・統合のプロセスとも言える。そういう意味では「千と千尋」の男の子版とも言えるかなと。

 強く印象に残ったのは「アニマ」の存在。
 男子にとってアニマ(内なる女性性)の統合は一大ミッション。
 ここでは、母なるアニマ(主人公・眞人の母)、性的なアニマ(ナツコ・眞人の母の妹・・・父親の再婚相手)、無垢なるアニマ(眞人の母の少女期)の3人の女性が描かれている。
 特に父親の再婚相手(眞人の母の妹)を「お父さんが好きな人」と呼び、敬遠する様子は、眞人自身の性的なエネルギーへの恐れと嫌悪を感じた。エディプスコンプレックスもこのストーリーの軸になっているかな。
 だから「産屋(子宮)」に入っていくことこそが「禁忌」で、眞人がそうすることで物語に大きな亀裂が入るのは象徴的。
 しかも産屋のナツコが超怖い(笑)。ここにも眞人の性的なエネルギーへの恐れが投影されている。

 塔・・・閉じられた世界。自我の王国。

 大叔父・・・塔の守護者。神に挑戦する人。世界の創造主として君臨したいという欲求。二元性(積石)の守護者。

 アオサギ・・・トリックスター。眞人自身のシャドー。眞人を揺さぶり、変化を起こし、物語を前に進めるエネルギー。

 女中のばあやたち・・・眞人の守護。完全なノージャッジと受容の存在。統合のプロセスにはこうした守護の存在は不可欠。

 セキセイインコたち・・・群れ、統率、世間、規則。「セルフ」を確立するために抗うべき外の世界。

 世界を構築する石・・・悪意のある石(悪)と悪意の無い石(善)。眞人はどちらも拒否する・・・ジャッジ、二元性の放棄。
 石を放棄したあと「僕は上の世界に戻って友達を作りたい」(みたいなことを言う)。創造主になるという特別性よりも「みんなで生きる」を選ぶ。

 眞人の頭の傷・・・根源的な罪悪感。「悪意」と眞人自身は表現している。その「悪意」すら排除することなく、内側に抱きながら生きる覚悟がこの物語のクライマックスと感じた。

 そしてまた、この作品に描かれているすべて登場人物が、眞人自身の一部。だから映画を見終わったあとにはやはり「すべてがわたし」なんだなーという実感があった。

 あと、私個人がこの作品から受け取ったのは「偶然なんて、ほんとにあると思うかい?」というメッセージ。
 映画館に行く道すがら、中央分離帯の植え込みになぜかすごく目が惹きつけられた。
 植え込みの木がうねうねと茂っている様子を見て「すごい!生きてる!」と感じた。
 今まで数えきれないほど通った道なのに、ここにこんな木が植わっていたことすら気づいていなかった。それがきのうは木の存在感をとても強く感じました。木が私に迫ってくるようだった。
 そして映画の中で、この植え込みの木とまったく同じ形の木々が描かれていた。それも「島」の「墓」(磐座)を守っているような鎮守の森として。
 とても不思議な気がしたけれど、やっぱり「外側に世界はない」のだなと改めて実感した。すべては私の心が見ている夢なんだと。

 と、ざっくりと超主観的鑑賞メモでした。
 やっぱり感想らしい感想は書けないな、この作品は。


 それからオマケに。自分の備忘録のために、ここ最近見た印象深い夢の記録です。

夢・その1
 公共の宿舎のような、雑魚寝の宿部屋に私の子供たち(小学生くらい?)と泊りに来ている。
 夜も更けたので布団を敷いて寝ようとすると、窓の外から太鼓の音が。
 窓の外を見下ろすと、野球場くらいの広さの柵の無いグラウンドに、人が何重にも輪を作って群がっている。輪の中心には太鼓を叩く「リーダー」の存在。
 リーダーの太鼓に応えるように、群衆も太鼓を叩く。部族の儀式のよう。すごいグルーブと熱気。
 その群衆の中に、像やキリンやサイなど、アフリカにいるような動物たちが、列をなしてゆっくりと歩きながら入っていく。

 柵の無いグラウンドの周りには一般道路が走っていて、車やバスが行き来し、スーツ姿のサラリーマンがぞろぞろと歩いて通勤している。
 けれどなぜか、サラリーマンたちには部族の群れが見えていない。音も聞こえていないようだ。こんなに大きな音なのに!
 わたしは太鼓のグルーブに気分が上がってきて、子どもたちに「寝てる場合じゃないね。下に降りてあそこに混ざろう!」と声をかける。


 夢・その2

手にとても大きなタッパーを持っている。50センチ四方くらいはありそう。
 中には生きた「ワニ」が入っているのだ。小ぶりのワニが5~6匹くらい。
 これは私のお弁当。食べるのを楽しみにしている。
 と、一匹の一番大きなワニが逃げ出した。
 「せっかく食べようと思ってたのに!」と慌てて走って捕まえにいく。
 無事捕まるワニ。ワニの皮膚の固い感触と、ぐにゃんとした体の柔らかさがリアル。

 実際には私はワニには決して触れないし、増してや食べたいだなんて露ほども思わない。それなのになぜ?
 ワニを捕まえる夢、食べる夢。夢分析ではエネルギーが高まっていると出ました。


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