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shift innovation #55 (WORK MILL hack 2)

今回は、株式会社オカムラが主催する大阪beeにて「語ろうあなたの考え、知ろうみんなの考え vol.2」哲学対話の会に参加しました。



【哲学対話の会】

哲学と聞いて難しいと感じたあなた、そんな事はありません。

哲学対話はそんな普段の生活では深く考えないようなテーマをみんなでじっくり考えるのを楽しむそんな企画となっています。

「失敗って何」「大人って何」「怒りって何」

この問いへの考え方は皆さん人それぞれ違うと思います。

そんな人それぞれの考え方に触れれる面白い機会です。

一緒に哲学対話を楽しみたい人beeに集まれーーー。


【WORK MILL】

「働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える。」

WORK MILLは、「はたらく」を考え、「はたらく」を変えていく活動です。

今までの当たり前にとらわれず、「様々な視点で(見る)」、「価値観を挽き出す(MILL)」の2つの意味を込めています。

多様な人達とのオープンな共創プロセスのもと、「すぐにみられる」ウェブマガジン、「手に取れる」雑誌・冊子、「訪ねに行ける」共創空間を中心に展開し、共創による課題解決や価値創造を目指しています。

働く環境づくりで困っている方、よりよい働き方を創りたいと考えている方、どうぞお気軽にご連絡ください。


【hack 1の内容】

変化の激しい今の世の中において、さまざまな情報が溢れる中で、その本質を見極めるためには、今までの前提である固定観念を疑うことからはじめる、つまりは、哲学対話することが重要になるのではないかとまとめました。


【問いの設定】

今回は、「働くこと」に関して、前回の哲学対話を踏まえ、セルフ哲学対話をすることとします。

そこで、前回の哲学対話における「嫌いな仕事をやりがいのある仕事にすることはできるのか」という問いに基づき、課題を解決することとします。


【問いの定義】

嫌いな仕事をやりがいのある仕事にすることはできるのか」という問いの定義付けをすることとします。

仕事」とは、生活のための収入を得る行為を言います。例えば、生産物を提供する接遇を提供する価値情報を提供する保有資産を運用するなど、収入を得るための行為となります。

嫌い」とは、自身が期待する行為とは異なる行為を言います。例えば、自身が期待しない営業の場合、収入が多い場合であっても、行為をする意欲が下がる場合があります。

好き」とは、自身が期待する行為と同じ行為を言います。例えば、自身が期待する企画の場合、収入が少ない場合であっても、行為をする意欲が高まる場合があります。

やりがい」とは、目的があれば、自身が期待する行為の有無に関係なく行うことができる行為を言います。例えば、ボランティアは、自身が期待する行為ではなく、収入がない場合であっても、困っている人のためであれば、行うことができます。


【問いの分解】

問いの定義から、「嫌いな仕事をやりがいのある仕事にすることはできるのか」を「目的があれば、自分が期待する仕事とは異なる仕事を、生活のための収入を得る仕事にすることができるのか」という問いに分解し、その可否をと問うこととします。


【問いの可否(できる)】

目的があれば、自分が期待する仕事とは異なる仕事を、生活のための収入を得る仕事にすることができる

例えば、以前、食べたフランス料理に感動し、料理をデザインする人になりたいと思っている一方で、代々受け継がれてきた宮大工という家業の仕事は、自身にとって好きな仕事ではないものの、日本の伝統を継承するという誇りにより、一生の仕事にすることができる場合があります。

これは、仕事の内容自体は、自身が期待する仕事とは異なる仕事となりますが、伝統継承のため、環境保護のため、世界平和のためなど、利他的な目的がある場合、収入の多少に関係なく、生活のための収入を得る仕事とすることができる場合があります。

また、仕事の内容自体は、自身が期待する仕事とは異なる仕事となりますが、達成感を得るため、成長するため、スキルを得るためなど、利己的な目的がある場合、収入の多少に関係なく、生活のための収入を得る仕事とすることができる場合があります。

これらのように、料理人、建築家、企画職など、職種のレイヤーで仕事を捉えた場合、好きな職種に就けず、他の職種となることによって、やりがいのある仕事にならない場合がありますが、利他・利己のためという目的のレイヤーで仕事を捉えた場合、好きな職種ではなく、収入が少ない場合であっても、やりがいのある仕事にすることができる場合があると考えられます。


【問いの可否(できない)】

目的があったとしても、自分が期待する仕事とは異なる仕事を、生活のための収入を得る仕事にすることはできない

目的のレイヤーで仕事を捉えた場合、好きな職種ではなく、収入が少ない場合であっても、やりがいのある仕事にすることができる場合があると捉えましたが、例えば、好きな職種ではない場合である中で、伝統継承のため、環境保護のため、世界平和のためなど、利他的な目的に基づき、仕事をしている場合、崇高な目的(大きな目的)であり、やりがいのある仕事として継続できる場合があります。

一方で、達成感を得るため、成長するため、スキルを得るためなど、利己的な目的に基づき、仕事をしている場合、スキルを習得し成長できたことにより、好きな仕事に転職するなど、一時的な(小さな目的)であり、やりがいのある仕事として継続できない場合があります。

これらのように、伝統継承のため、環境保護のため、世界平和のためなど、利他的な目的に基づき、仕事をしている場合、やりがいのある仕事として継続できる場合がありますが、達成感を得るため、成長するため、スキルを得るためなど、利己的な目的に基づき、仕事をしている場合、やりがいのある仕事として継続することができない場合があると考えられます。


【問いの再構成】

分解した問いに対して、その問いの可否を踏まえ、「どうすれば、利己的な目的を達成するため、自分が期待する仕事とは異なる仕事を、生活のための収入を得る仕事にすることができるのか」という問いを設定することとします。

例えば、営業に配属されるものの、人と接することが苦手であり、営業の仕事が好きではない場合、取引先の担当者とコミュニケーションが十分取れないことにより、業績を上げることができず、収入を十分得ることができない場合があります。

そして、営業の仕事を継続するためには、取引先の担当者とコミュニケーションを十分取れるようにするという利己的な目的を達成させる必要がありますが、利己的な目的である場合、やりがいのある仕事として継続できない場合があります。

そこで、営業の仕事が好きではない理由として、取引先に対して、定期的に訪問する営業において、日常会話を続けることが苦手であるため、営業が苦手という場合、本来であれは、取引先の担当者と日常会話ができる方法を検討する必要があると考えられますが、ここで、「本当に営業で業績を上げるためには、取引先の担当者と日常会話をする必要があるのか」という問いを立てることにより、取引先の担当者と日常会話をしない場合であっても、業績を上げる方法を検討することとします。

ここで、「日常会話をすることなく営業で業績を上げることができるのか」という問いに再構成することとします。


【問いへの解】

日常会話をすることなく営業で業績を上げることができるのか」という問いにより、課題を解決することとします。

例えば、農産物を生産し飲食店へ販売する業態の場合であり、農産物の販売時期が決まっている場合において、次の年にも継続して購入してもらう上で、販売時期以外であっても、定期的に飲食店に訪問する必要があります。

販売時期以外であっても、継続して定期的に飲食店に訪問する目的を、飲食店に食材の良さをより知ってもらうために訪問することとします。

そうすると、お店がどのような雰囲気のお店であり、どのようなお客様が来ており、どのようなメニューで、どのような食材を、どのようなレシピの料理により提供しているかということを知る必要があります。

そこで、これらの状況を知るためには、飲食店で担当者と会話をするのではなく、実際にお店で食事をするのが一番良いこととなり、お店で食事をした上で、飲食店で食材を一番美味しく提供できる方法(レシピ)を提供する必要があります。

そうすると、飲食店へ行き、担当者と直接会話をしない場合であっても、定期的に飲食店へは訪問することとなり、そして、飲食店では担当者と日常会話だけではなく、仕事の話もせずただ食事をするだけとなります。

これらのことから、定期的に飲食店に訪問するものの、担当者と直接会話をしない場合であっても、新たなレシピを提案する時のみ、飲食店の担当者と直接会話をすることになり、飲食店の担当者より信頼を得ることができることとなります。

これらの結果、取引先の担当者と日常会話をすることなく営業で業績を上げることができることとなり、そこには、取引先の担当者とコミュニケーションを十分取ることができるようにするという利己的な目的を遂行することなく、異なる手法により、苦手である営業で業績を上げることができるなど、嫌いな仕事をやりがいのある仕事にすることができることとなります。


【まとめ】

哲学対話により課題を解決する上で、課題の本質を見極めるため、今までの前提である固定観念を疑い、トレードオフとなる問いを設定(再構成)することが重要であると考えます。

一般的には、営業で業績を上げるためには、取引先の担当者とコミュニケーションを十分取れるようにするという利己的な目的を達成させる上で、取引先の担当者と日常会話ができる方法を検討する必要があると考えます。

ここでは、「そもそも営業で業績を上げるためには、取引先の担当者と日常会話をする必要があるのか」と前提を疑ったことにより、「日常会話をすることなく営業で業績を上げることができるのか」というトレードオフとなる問いに再構成したことによって、取引先の担当者と日常会話をしない場合であっても、営業の業績を上げる方法を導きました。

これらのように、哲学対話は、前提(固定観念)を疑い、トレードオフを解消することにより、解決策を導くことができるなど、新たな価値を創造することができる対話手法であると考えます。

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