丹後の風土が生み出す「丹後ブルー」
皆さん こんにちは!梅田です。
今まで丹後ちりめんの歴史を中心に記事を書いてきましたが、今回は、丹後ちりめんの生地を染める染職人さんについて書きます。
丹後が誇る「引き染め職人」
京都府京丹後市「小林染工房」の小林さんにお話しをお伺いしました。
小林さんは、「引き染め」という技法で生地を染める職人さんです。
この技法は、ハケを引いて染めることから「引き染め」と呼ばれており、気象条件や気温や湿度、布の高低差などによる偏りで染めむらができることもある難しい染め方で300年もの伝統があります。
さらに小林さんは、生地だけではなく糸を染める作業と糸を染める染料の柿渋まで自分で手掛けるなど既存の染め職人の幅を超えた活動をしています。
丹後の海を表現した「丹後ブルー」
小林さんの作品の特徴は「丹後ブルー」という染色を使った染め物です。
「丹後ブルー」とは、明治時代末から大正時代にかけて、東京の新橋の芸者衆の間で流行した「新橋色」という着物の色を由来とする色名です。
この「新橋色」は、とても綺麗な色で人気はあったものの日焼けしやすく傷みやすい弱点がありました。
そんな弱点を克服したのが「丹後ブルー」です。
小林さんは、着物業界でおそらく初めて引き染めに成功し、日に焼けにくく透明感と深みのある青色を生み出し、丹後地域の海の色「丹後ブルー」と名づけました。
さらに小林さんの染め方は、地紋(生地の柄)を活かした染め方にこだわっています。
丹後ちりめん=着物のイメージがありますが、もともとは白生地の産地なので多種多様な地紋があり、小林さんにとって丹後地域は宝の山だそうです。
300年の伝統をもつ技法を体験してみた
いざ、染色体験にチャレンジ。
染色はもちろん「丹後ブルー」で染めました。
力加減やハケの使い方が難しく、全く均等に染めることが出来ません。。
改めて職人さんの技術の高さを体感しましたが、初めて自分で染めた「丹後ブルー」にはなぜか満足感がありました。
職人から学んだ一番大切なこと
小林さんは高校を卒業してから約40年間染色業界で仕事をされています。
最近は、YouTubeにチャレンジしたり、長年培ってきた技術と想いの発信にも力を入れています。
そんな小林さんにとって職人とは「相手の求めるニーズに対して全力を尽くせる人が職人」だそうです。
これは、年齢関係なく仕事をやるうえで一番大切な事なのではないでしょうか。
もちろん自分の満足する商品を作ることも大切ですが、どの職業もお客様がいてこそ成り立ちます。
僕も明日から職人の気持ち意識を忘れず仕事に向き合います!
本当に学びの多い時間でした。
ありがとうございました!
【小林染工房HP】