300年紡ぎ続ける「丹後ちりめん」に触れてみた。
お久しぶりです!
だいぶサボってしまいましたが、最近興味を持ち始めた京都府丹後地域の伝統産業「丹後ちりめん」について記事を書こうと思います。
■「丹後ちりめん」とは?
「丹後ちりめん」とは、京都府北部の丹後地方特有の糸に撚りをかける技術を用いた後染め絹(シルク)織物であり、広義では丹後地方の絹織物全般の代名詞です。「丹後ちりめん」最大の特徴は、「シボ」にあります。
シボとは生地全体できた細かな凹凸のことで、これは撚りのない経糸(たていと)と、強い撚りがかかった緯糸(よこいと)を使って織り、加工する際に緯糸の撚りが戻ることで生み出される風合いです。
シボがあると、生地の表面の凹凸が光を乱反射するため、絹など素材の美しさが一層際立ち、色合いに深みを感じられるようになります。
(画像:株式会社山藤HP)
主な産地は京丹後市、与謝野町。丹後地方は、日本国内の約1/3の絹糸を消費して和装・洋装生地に使用し、和装地では、国内に流通する6~7割を生産する日本最大の絹織物産地です。
■絹(シルク)って何?
丹後ちりめんの原料のとなる絹とは昆虫のうち、蛾(ガ)に属するカイコが殻状の巣を作るために吐き出した糸で、カイコが体内で作り出すたんぱく質・フィブロインを主成分とするが、1個の繭から約800 - 1,200mと長くて細かい糸状の構造をしています。
主な特徴は、独特の光沢と滑らかな質感を持ち、古来より衣類の材料などとして珍重されてきました。
絹は動物繊維として扱われて、同類に羊毛(ウール)やカシミア(ヤギ)などがあります。
他には植物繊維の綿(コットン)や麻(ヘンプ)が代表的です。
各素材の違いや特徴も調べてみると奥が深くとても面白いです!
■どれくらい歴史があるの?
丹後産地を代表する絹織物「丹後ちりめん」は2020年で創業300年を迎えました。
「丹後ちりめん」は、今から300年前の1720年に郷土人たちの手によって生み出され、沢山の困難を乗り越え、時代に寄り添い、地域の人々の「活気」と「富み」をもたらしました。
さらに近年は、海外展開を行い、世界的なブランドが丹後の生地を活用したり、海外の展示会などでも注目を集めているようです。
その模様が、2020年10月放送の、NHK総合テレビジョン「世界はほしいモノにあふれてる」で「京都KIMONOスペシャル」として放送されました。
■なぜ興味を持ったの?
僕が「丹後ちりめん」に興味を持ち始めたきっかけは、SNSで「丹後ちりめん創業300周年」に関する記事を見つけたことです。
僕自身、丹後地域出身で「丹後ちりめん」の存在も知っていましたが、300年も続いていたことなど「丹後ちりめん」に関する知識が無く、なぜ生まれ育った地域の伝統産業について知らないのかと、疑問と違和感を感じました。
その瞬間、今まで「丹後ちりめん」について触れる機会も少なく、関心も少なかったんですが、300年続く地元の伝統産業について初めて興味を持ち始めました。
実際に織物業者さんの工場見学やお話を聞かせていもらう中で、職人さんの技術力、高度な加工技術、織物に向き合う姿勢にとても魅力と可能性を感じました。
その半面「担い手不足」、「着物離れ」、「織物業界の構造」などの課題も抱えている事も知りました。
この現状を踏まえ、「丹後ちりめん」の可能性と課題について織物業者さん以外でどれだけの人が関心をもっているか、次の創業400周年に向けて何をすべきかなど、織物業者さんだけでなく生産地である丹後地域全体で考えるべきだと思います。
僕には、丹後ちりめんを織る技術やおしゃれなデザインする能力はありません。
ですが、自分の好きな丹後地域の伝統産業を持続可能な形で継続するために、自分らしく泥臭くコツコツと「丹後ちりめん」に関わっていけたらと思います!
■まとめ
①「丹後ちりめん」とは、京都府丹後地域特有の技術を用いた絹(シルク)織物。
②丹後地域は、国内に流通する6~7割を生産する日本最大の絹織物産地。
③絹(シルク)とは、昆虫のうち、蛾(ガ)に属するカイコが殻状の巣を作るために吐き出した糸で、独特の光沢と滑らかな質感ある。
④「丹後ちりめん」は2020年に創業300周年を迎えた。
⑤自分自身が丹後地域で生まれ育ったのに、「丹後ちりめん」に触れる機会が少なかったことに疑問を持ち興味が湧いてきた。
⑥創業400周年に向けて織物業者だけでなく、丹後地域全体で向き合う必要があると思う。
今後もnoteで「丹後ちりめん」について発信しようと思いますので、もしよろしかったら読んでくださーい!