いいカメラマンはおしゃれ。
「プロカメラマンとして食べていきたい」という人に向けてのお話です。いいカメラマンはおしゃれ。ちょっと極端な言い方かもしれませんけど、そういう現場があるよというお話です。
おしゃれ。 言い換えるならば
1. 清潔感があって
2. 見られている意識を持っていて
3. 現場がパッと明るくなる
そんな人のことです。そのことをざっくり「おしゃれ」と表現しました。結婚式場のブライダルカメラマン、イベントやパーティのスナップ撮影、企業・学校パンフのための出張撮影、など。人の多いところに出向いて撮影するときなんか特に。あ、言い忘れましたが、私はクリエイティブディレクターとしてよくカメラマンと同行することがあります。そんな立場から、また仕事をお願いしたくなるカメラマンの話をします。
言わずもがな汚い臭いのはNGです。現場に連れて行きたくありません。社会人としてのマナー以上に、汚い人、キモい人がカメラ持って現場に行くと、被写体の表情がどこか怪訝な顔になるからです。
「カメラマンって撮られる方じゃなくて撮る側だから」と黒子のつもりで服装に無頓着な人がいます。それはちょっと違います。たしかに撮る側ですが、超見られる側です。ホテルの現場に半ズボンと汚れたスニーカーでは、ちょっと…です。高そうな機材を持ったプロカメラマンは一般の人にしたら特別な存在で、めちゃくちゃ見られています。顔も覚えられることもあるでしょう。ショッピングセンターで「あの人こないだのカメラマンじゃない?」って言われることだってあります。
「人物」を撮る仕事の役割は、被写体のいい表情を引き出すことでもあります。いいカメラマンは現場に現れるとパッと空気が明るくなるし、皆、良い意味で意識してくれます。なんだったら被写体のほうからカメラに向かっていい表情を見せに来てくれることもあります。イベント系の現場なんか顕著に表れます。カメラマンがいることで逆にイベントが盛り上がっているように見えることもあります。そんな役割を担ってくれます。次回行った時に「あれ?今日は前回のカメラマンさんじゃないないんですね?」みたいに言われることはよくあります。
オシャレとはちょっと論点がズレますが、人とコミュニケーションとるのが好きじゃない、いかにも暗いカメラマンがパーティスナップ、イベント写真を撮るとやっぱり仕上がりに差が出ます。これはもう、すぐ分かります。まずカメラ目線の写真が全然ない。あったとしても「なに勝手に撮ってんの?あぁん?」みたいな睨まれてる写真だったり。隠し撮りスタイルではなかなか楽しい表情は撮れません。パーティスナップなんかは、ノリの良さそうな人たちを見つけたら「楽しそうですね!!1枚いいですか?」「イェ〜イ!!」と声を掛けながらカメラ目線の笑顔や、時にはカメラに向かってはしゃいでるところを押さえておくことで、クライアントや新郎新婦が後で振り返って「みんな楽しんでくれてたんだ。良かった〜」と安心してもらえるわけです。
※声をかけた時の反応で、写りたくない人、顔出しNGの人を把握しておくことにもなるので、媒体掲載する写真などの声かけは重要です。
つまり、カメラマンがいないよりも、いてくれたほうが表情がイキイキとしてくる。良いカットがたくさん撮れるし、最終体には良い現場への雰囲気づくりとして貢献することになる。そういうカメラマンがいいカメラマンだと思いますし、また一緒に仕事をしたいと常々思っています。
プロカメラマンを目指す方にとって少しでも参考になれば幸いです。
※性格の違いや相性もありますのでケースバイケースであることは大前提です。黒子に徹することが必要な現場もありますから。