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歩き、走り続ける
はじめは漠然と 夢だけがあった
ただそれだけで 毎日があった
少しずつ夢は その姿を変えて
何の変哲もない 容れ物になった
10代最後の年、ちょっと年上のお兄さんの車で流れていた曲。
意味は考えず、何度も聞きながら口ずさんでいた。
ついに重なったんだなという驚きと少しずつその意味が分かるような気がした。
2024年1月
ちょうど1年前の2024年1月、無事に合格内定をもらい大学院進学が決まった。
「いつか行きたい、行ってみたい」
けれどその重い腰を上げるには時間がかかり、
「何が」という決め手は無いけれどこのタイミングでいかないと後悔する
だろうな、といった直感で決めた。
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結果が出た翌日だったように思う
大学卒業後に飛び込んだガーナでの地方暮らし、小布施でのコロナ禍での生活。文字通り濃いし、楽しいし、充実していた。
小布施では授業でヤギを飼ったり、焚き火をしてホットケーキを作ったり、町中に繰り出す総合のサポートをしたり、文字通りITデータを全て設定・管理したり。はたまた教育だけではなくまちづくりや企業人の研修をにも携わったり。
日々、子どもも大人も本当に多くの人に関わり、年度の ど途中での、いち個人の都合での退職、そして進学に際しての1年(多分)の離日であるにもかかわらず、子どもたちからも、先生や同僚、町の人も、学校内外、地域内外で特別に送別会を開いてくれ、何よりも出国5日前のベビーから重鎮まで多くの人に来ていただけた酒蔵を貸し切って行った「いってきますパーティー」。
文字通り多くの人たちに見送られ、応援していただき、後押しを受けた本当に本当に本当に幸せな夏でもあり、2024年の、20代の、ハイライトだった。
そして9月12日。イギリスに着いた。
ガーナ時代から話は聞いていた、開発学といえばの「あの」サセックス大学にいることが信じられなかった。
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5人のフラットメイトとの寮生活、国際色豊かなコースメイトに囲まれ始まった授業。
高揚感と噂に聞いていた雨続きのブリティッシュウェザー、そしてあの憧れていた舞台にいることに喜びを感じていた。(加えて、一歩出れば大自然、海までも片道7km程度、ロードに加えてトレイルに囲まれるからランニングにとっては最高な環境)
しかしそれと同時に現実も見た。
英語への壁、リーディングや内容を掴みきれず時間が経つ日々(最初は特に読むのも遅いし、AIで日本語に訳しても分からないことが多々)、批判的思考、曖昧かつ多様な見方・考え方がある社会科学という複雑さを極める学問分野。
想定通り、いや、それ以上にこれまで生きてきた環境、背景、考え、全てが違うからこそ思い、考えさせられる日々。そんなことを思っていたら、あっという間に授業期間は終了し、英語でのエッセイ課題に勤しむ寒く暗い12月になった。(酒やタバコに走らずとも、少しランホリック的になっている時期も正直あったのだけど。笑)
自分とは? 今、何を?
日本にいた際は、「◯◯の〜〜です。」という感じで肩書きがベースとなり、「過去にこんなことをして、今こんなポジションで」ということが自分を表現し、体現し、構成するアイデンティティであった。けれど、もうそんな肩書きはないどころか、必要なく、今、ここで自分という人間がどうコミットできるか、何を思い、何を考えているのか「今この瞬間」が重要であった。もちろん仕事ではそうであるが、自己紹介、授業、時には日常の寮の共用スペースでの会話まで。特に限られた時間でのグループワークや会話の中で何度も考えさせられた。
母国であるはずの日本についても知らないこともまだまだ多く、「うちの国を植民地化していた」というサラっと言われ、隣のフラットメイトから質問されるあの日。
途中までnoteの下書きと題して書いて放置していた授業で出会った問いや授業からの強烈なメッセージでもある、「教育とは何のためにあるのか。教育を通してどう世界を繋ぎ、償い、変えるのか」。
キラキラとした燦々たる海外生活とはかけ離れ、太陽が出ることが珍しい、どんよりとしたこの国の天気と同じような日々だった。
それは生活や学びだけではなく、時より人生的なこともそうであった。
正直日本で生活していた方が生活の質、今後生きる上での「お金」という面、仕事を通じての成長などは格段に高かったことは間違いない。
ただ、ほぼ無一文になって帰ることを考えても、最初で最後の最大の自己投資をしていても(おそらく)、この現地にいるからこそ気づいた価値観、難しさ、感情、学び、ことば、当たり前への疑問、そして無知の知。
まさに変化でもあり、激動でもあり、けれど必然なのかもしれない、そんな1年への決断に他者と比較したところでスタートからちがうし後悔はない(自分的には投資的な意味では大きいと思っているけれど、決断的な意味ではもっと大きなものはまだまだ先にあると思っている)。
日々目の当たりにする当たり前への疑問は、教育のみならず資本主義、民主主義、社会。完全に間違いであるとは思わないけれど、本当に正しいのかどうかという視点が備わり始めた(ような気がしている)。ガザの問題、韓国の戒厳令、日々社会が動く中で、この国、この場所にいるからこそそれぞれの考えが聞こえる、見える日々は新鮮でもあり、贅沢でもあり、そしてそれが自分の知らないという気づきを促した。さらに課題が落ち着いた今、改めて復習しながらの学び直しも本当に奥が深い。
さきほどの授業で出会った一つの問いでもある
“What is the purpose of education? Education is good or bad?”
教育に対して短絡的にしか考えていなかったが、それは背景や環境が変わると大きく異なり、もちろんポジティブな面もあるが、ネガティブな面もそれ相応にあるのだとコースメイトの「教育は悪である」という言葉から始まった意見によっても考えさせられた。
ガーナの赴任直後でいくつかの中学校を回っていた時代、ある部屋に飾られていたポスターに書かれていた
Education is a weapon
これ自体も教育そのものが個人や社会に対して大きなインパクトをもたらすといったポジティブな面とそうではない弊害を描いていたのかもしれないと考えさせられた。
「教育は社会の縮図でもある」からこそ、社会という人間同士の権力や力、ルールが存在し、言語がある程度縛られている小さな社会と言う名の学校で生きにくさを感じる人やそういった空間も存在することなのだろう。
最近聞いていたコテンラジオのシンドラーの回もまさにナチス、権力、社会科学、支配。これら全てが繋がり、ランニング中になんとなく頷きながら聞き流していた。
今年の目標
「伝」
これが2024年の年始当初に掲げていた目標であったようだ。
https://note.com/masakarikin/n/n023031f6a641?sub_rt=share_pw
2025年、修論という長い道のり、その前にある春学期の授業、そしてこれまでのキャリアを整理した上で次を決める「ちゃんとした」初めての就活。
やり直しや仕切り直し、新しいチャレンジは何度もできると信じているが、自分の軸を据え、広げて、蓄える1年になることは間違いない。
だからこそ、2025年は「根」と位置付けたい。
根(ね):物事の基礎・土台。物事の起こるもと
根(コン):物事に飽きずに耐えうる力
そんな中、調べてみたら「ね」だけではなく「コン」という意味にもしっくりきた。
2025年。
1年を3分割すると3分の2期間の最大ゴールは大学院生活、そして修士論文であり、加えて最後の3分の1に当たる次のキャリアも考える必要がある。やること・ゴールはシンプルであるものの、その過程は長い長い道のりになりそうだ。
だからこそ根気強く、じっくりと、根を張りながら。
自分の小ささを思い知って
それでも種を蒔いた
野に花は咲くんだよ
花は咲くんだよ
歩き続ける 30
歩き続ける、いや色んな意味で走り続ける1年にしたい。
ps. 訓練所で、ガーナで、出会った多くのお兄さん・お姉さんと同じくらいになったのだなと思うと感慨深いし、今思うと何よりも若造のお世話をしてくれたことに感謝しかない。
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ランニングには最高だった@Brighton Pier(日陰は氷点下になるくらい最近は寒いが)
30.30 km runをした笑
さいごに
予習、復習、授業、修論、就活。文字通りで見ると盛りだくさんではある。が、思考を広げたり、時間をうまく使うためにもヘビーなことはできないけれど、リモートでお手伝いできる仕事があれば欲しいです!
&アウトプット機会としても、息抜きとしても、学びや思考の整理的にもぜひオンラインで話せると嬉しいです!笑
そんなわけで、2025年もどうぞよろしくお願いします!
以下は備忘録としての2024年の振り返りと2025年のやりたいことリスト
2024年の振り返り
1月
英語の勉強に励みながら、新年の能登地震も自室で勉強中に気づく。
中旬ごろに始発で長野を出てIELTSを受け、Speakingまでに4時間弱時間がある!ということで皇居10kmランをしてからSpeakingを受けたのはもはやネタ(普通に良い時のスコアより0.5下がっていた笑)
下旬についに合格内定をもらい、同じ週に行った野沢温泉は冬のハイライト。
3月
多分相当な倍率の中、ラッキーなことに当選した東京マラソン2024。少し寒いくらいな長野からしたらコンディションは良く、さらにパリオリンピックの選考も兼ねていたことから名だたる世界のトップランナーとのスライド、東京の町を駆け抜ける喜びから足も軽く、自己ベストを4分程度更新し、サブ2.55の仲間入り。
下旬はコロナ前振りの海外・オランダへ。教育機関・施設を回るツアーに参加をし、子どもにとって、社会にとっての教育、学校と社会の関係性を考えさせられた1週間。
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コースでもある市ヶ谷のBritish Councilの前を通る時はなぜか緊張した。笑
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4月
オランダ滞在の1週間も終わり、終電で帰国後数時間後には学校へ。時差ボケなどを考えることなく日本社会に染まりながら順応。笑 当分桜は見られないかもと思いながら写真を撮ったのも良い思い出。
5月
弾丸広島・佐賀旅行、高校生の体験学習の受け入れ、運動会撮影など怒涛な週末を過ごす。
6月
2度目の100kmトレランレース。胃腸トラブルに巻き込まれることなく、最後まで足は残っていて、無事に14時間台でゴール。無事に学生ビザをゲットし、イギリスへ本当に行くのかもしれないと思い始める。
7月
今年の小布施見にマラソンはポケモンマスターを目指したサトシになりきり出走。仮装のクオリティは低いもののミニスピーカーでのBGMと共に走ることで給水ボランティアである小中学生たちに声をかけてもらいながらゴール。
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8月
35度を超える中での真夏のトレランでの水浴び、真夏のBBQ、夏の恒例行事と化したHLAB、そして何よりも小中学校での最終出勤。
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9月
引き継ぎがままならず仕事をしつつも、夜やランチは友達、先生たち、町の皆さんに誘っていただきカウントダウンが始まる。そしてベビーから重鎮まで集まっていただいた酒蔵貸切の行ってきますパーティー。フライトが夜だからということを理由に出国日まで雁田山を走っていた。そして成田でのサプライズ。
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そして9月12日。ロンドンに到着し、無事にサセックスにやってきた。
そこからはガラッと環境も、生活も、何もかもが変わった日々だった。
(変わっていないのは定番のランニングと自重筋トレ生活くらいか笑)
我ながらに面白いし、濃いし、激動な2024年だった。
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2025年やりたいこと
修論&就活!
これらは言わずもがなで、多分色んな想定外があるかもしれないけれど、簡単に終わらない、うまくいかないであろう過程も含めて
旅行
せっかくイギリスにいるからこそ本業も考えながらも、人に会う旅、学ぶ旅を通して息抜きを!実はもう2025年予定をしている旅もあるのだけれど
イギリス・ヨーロッパを走る
見たことのない景色、場所でのレースに出たい!
30代の人生を考える
なんだかんだこの10年は描ききれない/難しすぎることは百も承知の上で、30代前半のバケットリストを作ってみる!
アウトプット
noteに書くとか人と話すって大事だなと思い、SNSでの簡単な投稿もそうかもしれないけれど、振り返りながら話したり、書き記したりしてアウトプット機会を意図的に作りたい(下書きに保存されている授業中版の振り返りも新学期が始まるまでには再度考え、見直そう)
ということで、ポケモンじゃなく、マスターをゲットできるように頑張ります!笑