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人生を変えたコント

(ネタバレありなので注意)

霜降り明星せいやさん初の著書「人生を変えたコント」を読んですごく感動しました🥺笑って泣いて怒って楽しめる喜怒哀楽に溢れた作品です!

小中学校では明るかったイシカワが高校に入学しイジメられドン底の人生を味わい、そこから這い上がるストーリーです。

この書籍を読んだとき特にいじめの部分は自分の体験に近いものがあり手に汗握りながら読みました。

イシカワは高校入学した後、クラスの一軍グループからイジメられてしまいます。せいやさんも作中で語っていますが、顔を殴るなど物理的なイジメがあれば学校が動いて課題が解消されるのですが、最近はイジメる側が大人や教師の隙間を付いてイジリとして捉える巧妙な手段を取ります。

そして親を心配させたくないという気持ちがあるので、イジメられている本人もイジリと無理矢理解釈し、先生や親に嘘をついてやり過ごす。イジメてくる奴に対しては、そのグループから外されたくない、エスカレートさせたくないので笑ってやり過ごす。

今考えると自分のことを大切にしてくれない奴とは関わる意味がないので、先生や親にエスカレーションすればいいじゃんと思いますが、当時は学校という世界が全てで、学校生活でとてつもなく長く感じられる1年間でクラス替えがないので逃げようがないので、こうせざるを得ないのです。

周りの生徒も自分が標的にされたくないからか何となく空気を察知しイジメられている人のフォローに入らない。みんな強い人の側につく、もしくは何も表現せず関わらない。

いろんなイジメの現場ではこのような事が起こっていると思います。

自分も小学校高学年の時にイジメられていました。それもせいやさんと同じパターンで巧妙なイジメ。トップに知能犯がいて取り巻きに実行犯がいる。知能犯は力の強さをもってギリギリのところをついてきます。

・無意味な肩パン選手権
・藤棚をリングと見立てた殴り合い
・ランドセルを班旗で叩かれボロボロになる
・存在の無視
・自尊心の考慮を欠いた言葉の攻撃
・・・

イシカワの如く肩パンの傷を隠して風呂に入りました。ランドセルもできる限り隠しました。このクラスじゃなければという想いもありました。当時死にたくなることは何度もありました。

特にせいやさんの感情と同じだと思ったのが、自分のモノに傷をつけられることが、自分の親をバカにされた、温かい気持ちを踏み躙られたようで本当に悲しく悔しい気持ちになりました。

先生もイジメられているんじゃないかと面談で言われることもありました。しかし知能犯や取り巻きが逆に先生を逆手取り、先生は更年期障害で頭がおかしいと吹聴するので、イジメられてるとも言えず苦しかったです。親にも心配かけたくないので言えません。

今でも当時の体験を思い出す事がありその度にフリーズしてしまいます。辛い心の傷は一生消えないと思います。

せいやさんも言っていますが、本当はイジメるやつは強烈に辛い人生を送っているので、イジメる事でしか得られることのできない幸せがあります。そんな可哀想な奴らなんです。

話はそれますが自分はその立場に二度と陥りたくないという気持ちから、その後人を傷つけてしまったことがあり反省しています。人が自分の上に立たないように先手を打っておく。こいつより強いと示してしまう。もしくは自分が傷つかないように、自分の心を閉ざしてしまい、保身に走るマインドになってしまうことがあります。これは有益な体験をしているのに非常に勿体無い。その点でせいやさんには本当に尊敬します。復讐したいとは思っていない、同じ境遇にいる人たちを勇気づけたい、そんな思いでこの本を書いたのでしょう。

ドラクエの例えは秀逸で笑いました。確かにパーティメンバーが増えれば冒険の幅が広がる。そして信頼できる仲間がいるから人生は楽しいし救われる。沢山知り合いがいなくても良い。少なくとも本当に心を許せる友達を持つ事が大切だと感じられました。

終盤のフレーズがすごい良かったです。

「自分のことを好きでいてくれる人たちと自分の好きなもの、それだけを大事にすることがいちばんの復讐になるんだとイシカワは悟った。」

「いじめられた。弱い人間にされた。だから優しくなれた。優しくできる。自分と同じ傷を負っている人に寄り添うことができる。小さな幸せを感じ、積み上げていける」

「思い切った考えかもしれないが、ずばり、生きている意味なんてない。昔、みんなを喜ばせて生まれたときに使命は終わっている。そこからボーナスで人生を生きているだけ。みんなを幸せにしたご褒美で生きているだけなんだ。だから考えすぎず、ひとりひとりのご褒美の人生を過ごそう」

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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