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アファメーションとは?効果は?

今回も人生が変わる朝習慣10選の深掘り。
アファメーション編。
まだ10選を見ていない人は下のリンクからチェック 


アファメーション(Affirmation)とは、「自分自身に対して肯定的な言葉を繰り返し伝える」ことで、自己肯定感を高めたり、目標達成をサポートしたりする手法の一つです。
近年は自己啓発や心理学の分野で注目されており、多くの人が取り入れています。
しかし、その効果や活用法には個人差があり、デメリットも存在します。
以下では、メリットとデメリット、そしてその根拠や考え方を詳しく解説します。

1. アファメーションの主なメリット


・自己肯定感の向上
肯定的な言葉を繰り返すことで、潜在意識に「自分はできる」「自分には価値がある」という認識を刷り込むことを目指します。
これにより、自分に対する評価が高まり、ポジティブな思考を持ちやすくなると考えられています。
心理学の「自己説得理論」や「セルフ・アファメーション理論」では、自分で自分を肯定する言葉を発する行為が、実際に自己評価を上げる効果をもたらす可能性があると示唆されています。
ポジティブ心理学の観点からも、肯定的な言葉を意識的に使うことがストレス対策やレジリエンス(回復力)の向上につながるとされています。

・ストレスや不安の軽減
不安やネガティブな感情が湧いたとき、ポジティブな言葉を繰り返すことで、思考の方向性を建設的な方向へシフトしやすくなります。
認知行動療法(CBT)の手法の一部に、ネガティブな思考をポジティブな言葉に置き換える「リフレーミング」があります。
アファメーションもこれに近いアプローチとして捉えられ、思考の偏りを修正する効果があると考えられています。
ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が、ポジティブな感情を抱くことで抑制されるという研究結果もあり、結果的に不安やストレスの軽減が期待できます。

・モチベーション・行動力の向上
自己肯定感が高まると、「自分ならできるかもしれない」という前向きな思考が生まれやすくなり、実際の行動につながる可能性が高くなります。
スポーツ心理学の分野でも、ポジティブな自己暗示(セルフ・トーク)を取り入れることで、パフォーマンスが向上する事例が報告されています。
行動経済学の観点からも、ポジティブな期待が行動の意欲を高め、行動を継続するモチベーションを維持しやすくするという報告があります。

・感情コントロールや対人関係への好影響
自分に対してポジティブな態度を持てると、他者に対しても寛容になり、コミュニケーションがスムーズになることがあります。
セルフ・コンパッション(自分への思いやり)の研究では、自分を大切にする人ほど他者にも優しく接することができるという結果が得られています。
ポジティブな感情は周囲にも伝染しやすく、結果的に良好な対人関係を築く一助となるとする社会心理学の知見があります。

2. アファメーションのデメリット(注意点)


・非現実的な言葉が逆効果になる場合
自分が全く信じられないような内容のアファメーション(例:「私は完璧だ」「何でも成功できる」など)を唱えても、自己イメージとの乖離が大きすぎると逆にストレスや違和感を感じることがあります。
心理学の「認知的不協和理論」では、自分の実感とかけ離れた主張を繰り返すと、心の中で矛盾が生じ、逆に不安や抵抗感が強まる可能性があると示唆されています。
研究によっては、自己肯定感が極端に低い人に対して、ポジティブな言葉を無理に押し付けると逆効果になる場合があるという報告もあります。

・根本的な問題の解決を先送りにしてしまうリスク
アファメーションを唱えることで一時的に気分が良くなるが、実際の行動や環境の変化が伴わなければ、根本的な問題が解決されないまま放置される可能性があります。
「ポジティブ思考の落とし穴」として、現実の課題に取り組まず、思考だけをポジティブにすることで満足してしまう現象が指摘されています。
行動療法や認知行動療法では、思考の修正だけでなく、具体的な行動計画や問題解決スキルの習得が不可欠とされています。

・過度な自己暗示による「自己陶酔」や「過信」
自分の能力や状況を客観視せずに、「自分は絶対に間違っていない」「何でもできる」と思い込みすぎると、失敗やトラブルのリスクを見落とす可能性があります。
経営学の分野などでも、「楽観バイアス」や「自己過信」はプロジェクトの失敗要因としてしばしば取り上げられています。
自己肯定感と自己評価のバランスが崩れると、周囲との協調性を失ったり、正しいフィードバックを受け入れられなくなる恐れがあります。

・個人差が大きい
アファメーションの効果は、人によって大きく異なります。
性格や自己肯定感のベースライン、置かれている環境によって結果が左右されやすいです。
一部の研究では、アファメーションが効果的とされる一方で、明確な効果が認められなかった研究も存在し、学術的にもまだ結論は出ていません。
メンタルヘルスの問題を抱える人には、専門的なカウンセリングや治療が必要な場合があり、アファメーションだけでは不十分なケースも多いです。

3. 効果を高めるためのポイント

・リアリティのある肯定的表現を使う
自分が少し頑張れば実現可能な範囲で言葉を選ぶ(例:「私は成長できる」「私は今日も前に進んでいる」など)。

・具体的な行動とセットにする
「私は運動が好きだ」というアファメーションを唱えたら、実際に運動を取り入れるなど、言葉だけで終わらせない。

・習慣化して継続する
毎朝や就寝前など、決まった時間に唱えることで、潜在意識に働きかけやすくなる。

・適度なフィードバックを得る
周囲の人からの客観的な意見や、達成度をチェックすることで、自己過信や思考の偏りを防ぐ。

・専門家のサポートを検討する
メンタル面で不安が強い場合は、カウンセラーやコーチなどの専門家に相談しながら取り入れると安心。

まとめ


アファメーションは、自己肯定感を高めたりストレスを軽減したりする有効な手段として注目されています。
実際にポジティブな言葉を意識的に使うことで、思考や行動に好影響を及ぼす可能性があります。
一方で、自分の現状とかけ離れた言葉を使いすぎると逆効果になったり、根本的な問題解決を先延ばしにしてしまうリスクもあります。
効果を高めるには、現実的な内容であること、行動とセットにすること、そして継続的に行うことが重要です。

自分に合ったやり方を模索し、必要に応じて専門家のアドバイスも受けながら、アファメーションを上手に活用してみるとよいでしょう。

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