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【国語の教科書にのっていた短歌を味わおう】観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生 栗木京子

■観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生  栗木京子


お久しぶりです。なかなかと更新できずにウズウズしていたところです。
これまでは

・百人一首
・短歌
・俳句

と取り上げてきましたが、国語の教科書に掲載されていた
ものもここに味わってみたくアップいたしました。

このプロジェクトでは
白鳥は悲しからずや・・・
以来となります。

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さて、観覧車の歌を味わってみましょう。
読んだ瞬間から、心苦しくなる歌ですね。


歌中の
・一日→ひとひ
・一生→ひとよ

と読ませます。古文読みですね。
古文よみさせることで五七五のリズムが崩れずに
おさりよく口ずさめます。


作品は自然と男女二人の遊園地のデートを思い浮かべさせられます。

「君にとっては青春の1日の思い出だけど、              私にとっては一生の思い出なの」


と、上記は女性が歌を詠んでいる過程で、想像しましたが、
これは反対の可能性も大いにあります。男性の心情を歌っていても
おかしくないですね。

いずれにせよ、歌の読み手の方の思いが強いように感じられますが、
真実は分かりませんね。向こう側の気持ちだって
「一生(ひよよ)」の思いで観覧車に乗っているのかもしれません。


とはいえ、青春を詠ったとは限らない。
大人の男女の想いの違いとしても堂々と解釈できる
非常に奥行きのある作品です。
二人の別れの前の観覧車、という取り方もできる。


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作者の栗木京子氏。
京大在学中から作歌を始めたとのこと。
(氏は文学部専攻か?と思いきや理系部在籍だったことも興味深く感じました。)

この作品は初期のものとのこと。

他にも、私自身が好きだな、と思うものを最後に
書き記します。


・人にまぎれ回転扉押すやうに幸せにふと入りゆけぬか
・かがみ込む数式を解く君が背の縫ひ目ほうれて見てをり我は
・夏のうしろ、夕日のうしろ、悲しみのうしろにきつと天使ゐるらむ

1954年生まれの65歳。
氏の作品は氏の人生そのものなのだろう。


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