Venezia Santa Lucia訪問
列車でVenezia Santa Luciaへ。
8月10日(土)晴。29℃
6時頃目が覚めた。軍隊以来初めて夜中にベッドから落ちた!パジャマと下着を洗濯し、食パンにジャムと紅茶、クッキー、りんごで軽い朝食を済ませる。
7時45分、Lさんが迎えに来た。今日1日Venezia Santa Luciaに案内してくれる。もちろんエスペラントだけが説明に使われる。実用エスペラントの実践である。 Venezia Mestere駅近くの路上駐車はいっぱいであったが、ようやく場所を見つけて車を停めた。無料らしい。ここからVenezia S.L.行きの普通列車に乗る。列車は海上の橋を進み船や島を眺めるうち、約10分で滑るようにVenezia S.L.駅に到着した。
Lさんは元海軍にいて、Venezia MestereからVenezia S.L.まで1人乗りのカヌーで往復したと話していた。今も時々のっているようだ。ここの駅のトイレは無料だった。
Venezia S.L.はアドリア海の女王、水の都と謳われ、周囲約11kmの島に117の運河と118の島、その間を400の橋が渡る「世界一美しい都」と言われているところだ。かつては「ヴェネツィア共和国」として16世紀の列強のひとつであった。ヴェネツィアの最大の特徴は自動車が1台もなく、交通機関は水上に浮かぶ船のみということだ。静かな街である。
水上バスでサン・マルコ広場へ
駅前の乗船場に行き、ヴァボレットという水上バスの乗船券を買った。往復で7,200L(約500円)だった。この船はS字状の大運河をサン・マルコ広場まで行く急行と、各船付き場に泊まる普通があり、私たちが乗ったのは普通であった。一番前に立ってLさんの説明を聞きながらの数10分の運河の眺めは最高だった。橋の下をくぐる左右の小さい運河からは時々ゴンドラが出てくる。右に左に教会や博物館、宮殿が次々と現れる。まさに「ベニスを見ずに結構というな」の気分である。
10時30分、サン・マルコ広場の少し手前に到着。運河沿いを歩いてサン・マルコ寺院に行く。広場は人の波、寺院の入口は長蛇の列だ。まず中央の鐘楼に上がった。
80mの高さから見る360度の眺めはヨーロッパ随一と言われるだけあって、本当に素晴らしい。対岸のサン・ジョルジョ・マジョーレ島に建つ教会や運河に浮かぶゴンドラ、反対側には延々と連なる赤い屋根の向こうに青い海、真下に目を向けると蟻の大群のような人の波、その間に鳩の群が豆粒のように見えた。至近から見ると頭上の大きい鐘を動かす機構がよくわかる。こうゆうものを見ると職業的興味が起きて何枚も写真を撮る。
突然若い女性に声を掛けられる
Lさんと話していると不意に若い女性にエスペラントで話しかけられる。私達のエスペラントを聞いて声をかけてきたのである。チェコでのエスペラント世界大会に参加したメキシコの女性であった。これから英語の勉強のため3か月ほどロンドンに行く途中だとのことだった。
見知らぬ人から突然エスペラントで話しかけられることは滅多にない。ベニスの鐘楼上での嬉しい出来事だった。
日本を旅行中の外国人エスペラント仲間がエスペラントの小旗や緑星章などをつけていてもエスペラントで話しかけられた経験は一度もないと言う話を聞くが、ヨーロッパではまだまだこんな例があったことを報告しておきたい。あきらかにエスペラントはまだ生きている。「まだ」という注釈付きではあるが。
絵の多さに首が疲れる
鐘楼を降りると寺院の入り口は相変わらず長い列が続いていたので隣のドゥカーレ宮殿に入った。元ヴェネツィア共和国の政庁だったところだ。部屋ごとに大きな油絵が飾られていて熱心に見てまわったのでいささか首が疲れてしまった。
昼食をとるため、曲がりくねった路地をしばらく歩き、セルフサービスの店に案内された。Lさんはおかゆのようなものが入った皿、私はトマトとシーフレークのサンドイッチとビールにした。(10,000L=約700円)食事後運河の岸につないであるゴンドラを見つけてそばで写真を撮った。
桁違いの大天井モザイク画
サン・マルコ寺院の列がいくらか短くなったので入り口に並んだ。この寺は9世紀にエジプトから運ばれた聖マルコの遺体を収めるために建てられ、何度か修復を重ねている。入り口上部にある青銅馬像は、13世紀にヴェネツィアの十字軍がコンスタンチノーブルより持ち帰ったものである。中に入ると今までいろいろな国で見た教会とは規模が桁違いに大きく、丸天井のモザイク画はもちろん、中央祭壇の後方にある祭壇画は宝石がちりばめられた豪華なものだった。
人並みに押されながら外に出て、広場の西にあるコレール博物館に入った。昔の青銅器や陶器が並べられ、壁にはトルコとの戦争画が多く、少々うんざりした。30℃近くの暑さで喉も渇き、アイスクリームをなめながら船着場へ戻った。
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