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台風とはなにか、凝縮熱とはなにか。 #台風 #水蒸気 #サウナ #電鍋

手っ取り早い参考:サウナのロウリュが熱い仕組み② - Saunology -Studies on Sauna-

■算数学的に凝縮熱を理解する

数学というより算数学的に。

問題:台風上空では、1gの水蒸気の凝縮で6gの水0度から100度にできる熱量が発生している。1molあたりの熱量を用いよ。また、ひとの一日の消費カロリーを平均2000kcalとした場合、単位換算すると8.4kjとなる。たった1gの気体から発生するエネルギーを想像し驚嘆せよ。

水蒸気3

1cal=4.2J=水1gを1℃上げるのに必要な熱量
水のモル質量は18g/mol
水の蒸発熱 44KJ/mol
KJ=熱量


台風上空の水6g(1gの水蒸気の凝縮)に発生している熱量はmol換算すると、1gの水蒸気の凝縮=44÷18/mol=約2.5KJ(2.444444…)で、人間が一日に消費するエネルギー(8.4kj)とほぼ等しいエネルギーが僅か3.36gの水蒸気の凝縮で発生していることになる。molを使わなくても水1gを100度にするには水1gを1℃上げるのに必要な熱量4.2J×100=420J、問題文(自然の法則)で6gとあるので420J×6g=約2.5KJが1gの水蒸気の凝縮熱と算出できるがmolで換算したほうが早い。

1mol(モル)とは6.02×10^23個(アボガドロ定数)の物質量・・・

アボガドロの法則より、あらゆる気体の体積は物質量に比例する。質量数12の炭素(12C)12g=6.02×10^23が1molの「物質量」

どんな気体でも1molの体積は標準状態(0℃、1気圧)のとき22.4Lになる。2molなら倍の44.8L、3molなら3倍の67.2Lと倍々に。粒子数を分母に質量や体積を統一する。


以下は水蒸気が冷やされて凝結するのに、なぜ熱量が発生するのか、分かりにくかった部分。冷やされて凝結するイメージないですか?

暗黙知のように符号は明らかなので44KJと絶対値表記する

これが分かりにくい原因だった。

①水蒸気の凝縮熱:H2O(液体)=H2O(気体)44kj/mol(+44kjではなくマイナス

これは、熱量を移行するとわかりやすい。

②H2O(液体)+44kj=H2O(気体)/mol

この式は、水を蒸発させるために、44kj/molの熱量が要ることを意味する。水を気体にするには、44kj/molの熱量が要る→日常生活で我々はガス代や電気代というコストを支払っている。

翻って先の①に戻る。水蒸気(気)→水(液)をイメージしながら、H2O(液)=H2O(気)-44kj/mol(水蒸気の凝縮で放熱

逆は吸熱。H2O(気)=H2O(液)が気体になる方向への作業(料理や湯沸かしなど)は、+44kj/molのエネルギーを要する=吸熱

気体である水蒸気は、エネルギーが高い、エントロピーが高いと言い換えられるかもしれない。動きが早くてあちこちに飛来する。自由すぎる。例えるなら、乱雑な部屋とか。度を超えると放熱に耐えられなくなる(適度な吸熱=消費が必要)とでも言えるだろうか。手に負えない行き過ぎた自由は放熱しながらまとまる(液体)、整うというイメージ。

さらに抽象化すると「吸熱=消費 」「 放熱=生産」のように思えてくる。

水蒸気からエネルギーが放熱する-(マイナス)44kj/mol。気体から液体に「冷やされて凝縮するのになぜ放熱するのか?」が理解しやすい。とりあえず、ここまで。

■なぜ水蒸気なのかの前哨

ハイシェンが、大分あたりに進路変更したら、四国がヤバい。
台風は進行方向の右側(右側半円)ほど危険 その理由とは - ウェザーニュース https://weathernews.jp/s/topics/202009/030165/


台風を娘にどう説明できるかチャレンジ。
そもそもなぜ、台風なんていう現象が存在するのか。
なぜ季節が限定的で、寒い冬には発生しにくいのか。
台風は複数の現象の相乗効果だった。

①水蒸気の凝縮熱(凝結熱)

まず台風にとっては、海水が温められて水蒸気になってくれることが必要。これは鍋とかやかんをグツグツぴゅーぴゅーさせて水温を100度にすることを意味しない(やかんの口から出てくるのは湯気であって、水蒸気ではない)。水温が高いと蒸発しやすいってだけ。

大気中に蒸発した水蒸気が多く含まれるほど(湿度が高い状態)、上昇気流が生まれやすい。海水が温められるには多少時間差が生じる。だから夏の終わりに台風は多いんだね。秋の長雨、なんていうのも理にかなっている。

温められた海水の水蒸気(気体)は、水(液体)に変化するときに先述のとおり凝縮熱という熱を放出する。その凝縮熱は1gの水蒸気の凝結で6gの水を0度から100度にできるほどの熱量を発生させる。

それを含む空気の塊は温度が上昇するのでどんどん上に上がっていき、上昇気流の渦巻きを巨大化させる。したがって以下のニュースは、台風10号が過ぎ去ってからも、継続的に巨大台風が発生しやすいことを予感させる。これがまずひとつ。

日本の南で海面水温が過去最高 強い台風発生の恐れも(毎日新聞)

注目したいのは次の二つ目。たぶん物理の神髄の一つ。

②台風はなぜ左巻きなのか - コリオリの力

左に回転する直径30メートルぐらいの台の上で、キャッチボールすることを考えてみよう。相手のお友達も台の上、直径の線上の先にいるイメージ。ボールはお友達より右に逸れていく。投げた瞬間に右への力が働く。

左に回転しているのだから、わかるよね。
左に回転する台の上で投げたボールに働く右向きの力、それがコリオリの力

※The Coriolis Effect - YouTube https://youtu.be/6L5UD240mCQ これすごくわかりやすい。回転と関係ない固定カメラで見ると、コリオリの力は真っすぐに働いていることがわかる。

地球の自転も左回転の台と同じように反時計回り、左回り。
これは北半球に限った話で、南半球では逆になる。

サッカーボールを上から見て左に回転させて、そのまま下から見上げれば逆の右に回転しているのがわかると思う。その逆回転が南半球。

いま日本に接近しつつある台風10号ハイシェンは、ここ日本、北半球の話。左に回転する台と地球(北半球)の自転は同じと考えてもらっていい。

地表では分かりにくいけど、お天気のようにスケールが大きくなると、台風という軽い粒子の集まりのような円柱状の回転体に、さっき左に回転する台の上でボールを投げたように、投げた瞬間からボールに働く右向きの力=コリオリの力が働く。

つまり、①温められた海水(季節を選ぶ)+②水蒸気の凝縮熱を含む空気の上昇+③地球の自転が生むコリオリの力による左巻き=台風というわけだ。

以下は余談。テストの点数に関係ないから聞き逃してもらっていい。コリオリの力を身体感覚で捉えてみたい。


陸上競技のトラックはもちろん、野球の走塁、フィギュアスケートのジャンプ回転もほぼ左回り。キミや僕の身体、右回りに回転させるより、左に回ったほうが、なんかしっくりこないだろうか。

心臓が左にあるので左に回りやすい、という話はこれまでよく耳にしてきた。でも本当にそうだろうか。

北半球においては常にコリオリの力、右向きの力が働き、回転体は左巻きになるから左に回り易い、のほうが科学的に納得できないだろうか。ほとんど無意識レベルで。

それでいうと、南半球の選手たちは、右回転のほうがしやすいかもしれない。なんていう想像もできる。

そういえば昔、遊園地に、速く回転してカラダがすごい力で壁に張り付けられる遊具があった。今でも日本の遊園地にあるのかな。

CENTRIFUGEUSE - ROTOR @ FOIRE DU TRONE (GoPro) - YouTube https://youtu.be/GspwbZSjABA

でもこれは遠心力。コリオリの力とは別の力だけどね。

↓地球上の台風の動きを一望できる。

earth :: a global map of wind, weather, and ocean conditions https://earth.nullschool.net/?fbclid=IwAR0r44Q34tFvbQvc9fcug_dWqi_6iZeUp28sr0UUoPezYYYjl4_kr6I-7Bc#current/wind/surface/level/orthographic=-222.36,30.67,908

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