日本の宝 オノマトペ
中国が悪い、いや米国が悪い、と争いが続くのは、双方とも間違っているからです。
だから昔の日本人は「喧嘩共馬鹿」と言いました。
怨みを怨みで解決できないように、理論を理論では解決できないので、理論とは異質な、理屈抜きの情緒の世界の発想法でないと争いを避けることができないと考え、日本人は感性を磨いてきたように思います。
しかし情緒の世界を言語化して伝えるのはとても難しく、ポルトガル語でも声や音を擬音語や擬声語を使って表現するオノマトペは少ししか存在しません。
ツルツル、スベスベ、ヌルヌルなどの音のしない擬態語はポ語にはないようです。
よぼよぼ、よちよち、もふもふ、その他に感情を表す擬情語となると日本の独壇場で、ソワソワ、ドキド、ハラハラ、イライラなど数え切れません。
日本では瞬間的な痛みはズキン、キューン、持続する痛みはズキズ、ズッキンズッキン、ヒリヒリ、ビリビリ、キリキリ、チクチク、ジクジク、シクシク、ジンジン、頭がガンガンする〜、などと言語化しています。
これからの世はAIの世界になるので、病気の診断もAIがやるようになるでしょうが、先ずは画像や数値や言語に変換しなければ処理できないので、感覚の領域を言語化する点では、日本文化の得意分野です。
文字化された理論で動く西洋文明はAI向きですが、触感や、ホクホク、サクサクといった食感などの感覚は、AIには無理かもしれません。
しかしながら今回のコロナでも、世界最小の死者数なのに世界最大のダメージを受けたらしい日本を見ていると、行動基準を感覚だけに頼るのは危険なのか、あるいは日本人の情報分析かセンサー自体に欠陥があるのか、この辺で一度総括する必要があるようです。
【今日の名言】
「思えば出る」 宇野重吉
(いつも心に描いている事柄は実現する。良い事も悪い事も。)
「始めチョロチョロ中パッパ シハシハ音に火を引いて 赤子泣いてもふた取るな。」
(お釜でご飯を炊くときのこつ。日本人はよい仕事をしようと努力するところがいいですね。)