虫と共に生きる(日本流の共生社会)
前々回、寄生スズメバチの話をしましたが、蜂の仲間は特有の習性があるので補足させていただきます。
(私は長らくブラジルで養蜂を営んでいました)
スズメバチも足長バチも一つの巣の中の一匹の女王バチだけが卵を産みますが、その他大勢の働きバチは全員が雌(メス)です。
彼女たちは卵巣が萎縮しているので働くだけなのです。
人間の母親は男女を産み分けられませんが、蜂の場合は有精卵から雌、無精卵から雄が生まれます。
秋になると女王は無精卵を産むようになり雄蜂が誕生します。
その雄蜂は他の巣の処女バチと交尾してすぐに死にますが、新女王蜂は雄蜂から精子の入った精嚢を受け取り一匹で越冬します。
そして春になると自分だけ一匹で新しく巣作りを始めるのです。
※以下図はミツバチではありますが、ご参考に。
<ミツバチは女系社会> より引用。
私(現在81歳)が子供だった頃は、夏休みになると駄菓子屋に行って小さな捕虫網と虫かごを買ってきて、虫捕りに行きました。
少し大きくなると夏休みには昆虫採集だといって、捕った虫に注射器でフォルマリン処理をして、標本箱に針で止めて並べます。
熱心な親は昆虫図鑑を買ってくれるので、子供たちはすぐに虫の名前を覚えます。
しかしブラジルでは、捕虫網も虫かごも昆虫図鑑も売っていませんから、ほとんどの人は自然には無関心のようです。
日本の学校では「虫の声」という文部省唱歌を教えてくれますが、その歌詞には松虫・鈴虫・コオロギ・クツワムシ・馬追い・などが出てきます。
(歌の動画はこちら)
この他にも、大きなクサキリがジリー ジリー、カネタタキはチンチン、小さなクサヒバリはフィリリリリリ…と鳴きます。
ブラジルには上手に鳴く虫がいないらしく、蝉にしても日本のミンミンゼミやツクツクボウシの法師蝉、夕方カナカナカナと鳴くヒグラシなどはおらず、ただビービーとかルールーと太い声で単調に鳴く蝉しか私は聞いたことがありません。
【今日の名言】
「何かを捨てないと何も得ることはできない」
(饅頭を食うためには金を払う)
【名言もう一つ】
「徳のある人は立派な言葉を使うが、立派な言葉を使う人に徳があるとは限らない」
※編集協力
和の国チャンネル