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「この先、私の人生が仮にどんなに波瀾万丈であったとしてもね?」 ブランコから投げ出した足の先には、赤いコンバースのスニーカーが嵌まっている。軽いキャンバス地のそれは彼女にとてもよく似合っていて、ペダルをがんがんに漕いで、籐の籠の付いた白い自転車でちょっと遠くまで買い物に行くのが好きなそんな彼女にとって、最高の相棒と呼ぶに相応しい靴なのだろうと僕は感じた。 「私は、初めてキスをした相手があなたであることを思い出したら、きっとね、ずっと、自分は世界で一番幸せな女の子なんだって