サマリ_キャズム

これは何

キャズムの内容を要約したもの。
個人用のメモなので、網羅性は乏しい。

結論

キャズムを超えるには、1つのマーケットセグメントに集中して、プロダクト開発やマーケティング施策を実行する。

この本の主張はここに集約されると理解。

キャズムとは

初期市場とメインストリームの間の溝。

引用元:https://www.utokyo-ipc.co.jp/column/chasm-theory/
  • イノベーター

    • 新しいもの、斬新なものに強い関心を示す層。

    • 製品の効用ではなく、使用(試用)自体にモチベーションを持つ。

  • アーリーアダプター

    • イノベーター同様新しいもの好きだが、製品がもたらす恩恵を検討、評価する層。

    • 購入決定の際に、他社事例や口コミを重視せず、自身の直感に頼る。

  • アーリーマジョリティ

    • 実用性を重視。

    • 購入の際は他社の様子を窺う。

  • レイトマジョリティ

    • 新しいテクノロジーには疎い。

    • 手厚いサポートを求める傾向にある。

  • ラガード

    • 新しい技術に見向きもしない。購入もしない。

実務で顧客をあまり細かく分類することに意味はないので、ざっくり「テックオタク」と「マジョリティ」と捉えれば十分。

アーリーアダプターまでは情報感度も高く、たいした販促活動をしていなくても買ってくれる。
達成したい目標に対して不足しているコンポーネントがあれば自分で構築もする。

対してアーリーマジョリティより先は、製品に対して

  • (コンポーネントの開発なしで)目標が達成されること

  • 製品が一番人気(マーケットリーダー)であること

  • 手厚いサポートが受けられること

を期待する。
(過去上場企業でツールの導入を何度かやったが、めちゃめちゃわかる。追加の開発はしたくないし、サポート受けたいし、事例や拡張性が高い(つまりメジャー)ツールを選ぶ)

多くのスタートアップはここのニーズの違いに対応できず沈んでいく。

ホールプロダクトとは

「顧客が期待する機能」と「ベンダーが売りたい機能」の間にはギャップがあり、アーリーマジョリティ以降の層はそのギャップを自分たちで埋めることはしない。
彼らの期待に応えるためにそのギャップを埋めなければならない。

引用元:https://blog.leapt.co.jp/what-is-the-whole-product-model-what-to-consider-in-product-marketing-strategy
  • コアプロダクト

    • 実際に出荷される製品

  • 期待プロダクト

    • 顧客が購入前に「こうであるはずだ」と考える製品。

    • 購入目的を最低限満たすもの。

  • 拡張プロダクト

    • オプションをつけて、顧客の購入目的を最大限満たすもの。

  • 理想プロダクト

    • 顧客に提供される価値の理論上の上限値。

どこまで目指すかは製品の成熟度によるが、キャズム超えをするときは期待プロダクトまでは揃えないといけない。
ホールプロダクトの全要素を社内開発・提供する必要はない。
業務提携やAPIでつなげるとか

ホールプロダクトはサンプルシナリオを作って設計する。
サンプルシナリオの作成には以下のプレイヤーがいることを念頭に置く。

  • エンドユーザー

    • 製品を実際に使う人。

  • テクニカルバイヤー

    • 製品の革新性を評価する人。IT部門とか

  • エコノミックバイヤー

    • 製品の経済性を評価する人。決済者。

サンプルシナリオ

  • 製品導入前

    • 現状把握(エンドユーザーが抱えている問題は?)

    • 望まれる結果

    • 試みたこと(代替手段にあたる)

    • 阻害要因

    • 経済的影響

  • 製品導入後

    • 新たな試み(製品をどのように利用するか)

    • 支援材料(問題を解決できた理由は?製品のどこがよかった?)

    • 経済効果

これらの項目に沿って具体的なユースケースを想像しつつ、「この機能が必要だ」「このツールとの連携が必要だ」「ここで対人サポートが入る」とか言いながら、ホールプロダクトを定義していく。


なんで1つのマーケットセグメントなのか?

1つのマーケットセグメントの条件は「顧客が相互に情報交換をする」(口コミ)
よくマーケティングの文脈では業界や市場が用いられるが、それとは異なる。

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【私見】
「口コミが大事」かどうかは時代や商材に依る気がする。
BtoCは納得だが、BtoBの商材であれば、口コミでなくても「あの有名なA社が導入してるなら」「競合のB社が導入してるなら」と言う感じに、社内で導入の現実性が高まる場面は多々あるのでは。
もちろん検索したら事例や操作方法などの情報が、たくさん出てくるというのは前提。
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マーケットセグメントを1つに絞るべき大きな理由は2つ

  • 1つのマーケットセグメントでリーダーポジションを築くことができないと、マジョリティに浸透しない

  • 複数のマーケットセグメントをターゲットにすると、ホールプロダクトも複数パターン用意せねばならず、リソースを用意できない


アーリーマジョリティ以降(実利主義者)は、マーケットリーダーがホールプロダクトをしっかりと形成することができることを知っており、
口コミによって製品の信頼性を感じるのである。


最後は以下のフォーマットで製品を定義できれば、マーケティング戦略としてはOK

  • ターゲットカスタマー

  • 購入の必然性

  • ホールプロダクト

  • 競争相手

    • 同業とは限らないし、企業とも限らない。代替手段

  • パートナーと提携企業(ホールプロダクトとほぼ同義?)

  • 販売チャネル

  • 価格設定

  • 企業のポジショニング

  • 次なるターゲットカスタマー


というわけで

キャズムを超えるには、1つのマーケットセグメントに集中して、プロダクト開発やマーケティング施策を実行する。

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