心理学(基礎ゼミ)✖️「デザインの学び」#1
上田女子短期大学総合文化学科では,基礎ゼミと卒業研究ゼミの2つがあります。1年生は基礎ゼミ,2年生は卒業研究ゼミが必修となっています。教員は,自らの専門性を活かして,この2つのゼミを運営しています。
これまで私は,基礎ゼミで心理学やグループアプローチ(例えば,構成的グループエンカウンターやプロジェクトアドベンチャーなど)を活用して,ゼミ運営をしてきました。しかし,大学教員になって4年目。ある想いが芽生えてきたのです。
時々,学生と噛み合わない感じがある。何かが足りないのかも・・・。
ゼミは,このままのスタイルでも進めていくことはできるでしょう。でも,「人間関係の構築だけに焦点を当てるというアプローチ1つだけでなく,他のアプローチもできるようになっておいた方がいいのかもしれない。」そう思うようになってきていました。
というのも,人間関係を築くことに苦手意識や不安感を抱く学生がゼミに入った場合,人間関係の構築を目的にしただけで関わると,互いに苦しくなってしまうからです。例えるならば,(この表現が的確かはわかりませんが,)ニンジンが苦手な人に,シェフが味付けや調理法を変えたニンジン料理を出しているようなものです。
「『人間関係の構築を目的にやってみよう〜!』というものではなく,『ふり返ってみると,いい人間関係が構築されたねぇ・・・』みたいなアプローチもできるようになっていた方がいいのではないか?」そんなことを考え始めていたのです。
方法として,もう1つ持っておくと良さそうなのは,「結果的に,いい人間関係が構築されたねぇ・・・」みたいなアプローチ
このアプローチは,ちびまる子ちゃんが言うような,余韻が残るあの言い方に近いものです。他の言い方をすれば,昆布や鰹節の出汁のようにゆっくりと滲み出てくるような優しい口当たりの,あの感じです。そう,今の私は,出汁のようなアプローチを求めているのかもしれません。
一緒にやってみませんか?
そんな中,デザイン分野の教員から,「ゼミを一緒に運営してみないか?」という提案をいただきました。なんというタイミングでしょう。私は,異分野とのコラボレーションをしてみることにしてみました。
このシリーズでは,心理学とデザインの学びとのコラボレーションのプロセスやそこでの学生の成長を紹介していきます。
これから,試行錯誤の連続,葛藤も抱えながら進むゼミ運営をご覧ください。