
2021年に見た新作映画101本から10選+α
あくまで僕が今年見た新作映画(2021年に日本で劇場公開もしくは配信開始した映画)が対象です。
また、例えば『ノマドランド』『サマーフィルムにのって』『サイダーのように言葉が湧き上がる』など2020年の東京国際映画祭で見たので対象外となっている作品もありますのでご了承を。
花束みたいな恋をした
花束みたいな恋をした:坂元裕二オリジナル脚本の映画。監督は『カルテット』の土井裕泰。モノローグ、固有名詞、紡ぎ出される珠玉の台詞。坂元ワールド全開で完全に食らってしまった…邦画史に残るとんでもない大傑作。人生でこの先これを超えるラブストーリーにはもう出会わないかもしれないな。
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) January 29, 2021
テレビドラマで傑作を連発してきた当代随一の脚本家・坂元裕二にとって久々の映画。
これ以降まさに「花束みたいな」と勝手にフォロワー扱いされる作品が出てきたぐらいクラシックになってしまった1本。
1月末に見ても印象は薄れることなく余裕でトップ10入りでした。
楽園の夜
楽園の夜:昨年のヴェネツィア国際映画祭に招待された韓国映画。監督は『The Witch/魔女』のパク・フンジョン。青のトーンで統一された映像で紡がれる極上のノワール。済州島を映した撮影や前後半で台詞が反復する脚本が見事。ナメてた相手が殺人マシンでした映画要素も。 https://t.co/kBgqhhq5G3
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) April 11, 2021
北野武監督作品『ソナチネ』にオマージュを捧げたような1本。
映像もキタノブルーを彷彿させる美しい青。
そしてラストのあれ!
あまり話題にはならなかった本作ですが、あの印象の強さで入れたくなりました。
街の上で
街の上で:今泉力哉監督の新作が約1年の延期の末に遂に劇場公開。待った甲斐があった傑作!固定カメラ長回しを多用した、おかしみ溢れるリアルな手触りの会話劇。好きという感情の不恰好さをあくまで映画的に抑えて演出。満席の劇場内でしっかり笑いが起きてた。そして何より中田青渚という発見!
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) April 10, 2021
今泉力哉監督のキャリア史上最高傑作にして次のステージに進んだ1本。
今年の邦画No.1だと思います。
今泉監督は2月公開の『あの頃。』も良かったなぁ。
プロミシング・ヤング・ウーマン
これはね…中高男子校だし大学時代もホモソーシャルなコミュニティに所属してきた自覚がある自分にはキツかった…
飲み会で下ネタやセクハラボケを言ってきた過去が跳ね返ってきた。
本当に反省です。
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
東京五輪開会式の前日に起きた小林賢太郎のキャンセル。
その3週間後にジェームズ・ガンが素晴らしい復活劇を見せてくれた。
オープニングの小鳥が死ぬカットから2時間ずっと最高でした。
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ:池袋のIMAXレーザーで鑑賞。期待通りのアクション大作。撮影むちゃくちゃ良かった!画が終始キマりまくってる。特に車で飛行場に入ってくるシーン惚れ惚れ。抜擢時に議論の的になった瞳の色に再三言及しての結末もダニエル・クレイグ最終作としてこれ以上ない幕引き。
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) October 9, 2021
ダニー・ボイル監督降板の影響で準備期間が短く、撮影現場は相当な修羅場だった模様。
そんなわけで賛否両論なのも頷けるのですが自分は大好き。
あの車が飛行場に入ってくるシーンは2021年ベスト撮影。
池袋IMAXの満席の劇場でみんながワクワクしながら映画を見てる空気を感じ取れたのも良い思い出です。
DUNE/デューン 砂の惑星
ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』が公開された2009年が3D映画元年と言われたように2021年はIMAX映画元年になるのかもしれない。
そんなエポックメイキングな1本でした。
ラストナイト・イン・ソーホー
個人的2021年No.1映画
映画とは本質的に編集の快楽であると考えている自分にとって本当に最高の映画体験でした。
偶然と想像
極上の会話劇。
きっと濱口竜介監督の2021年は『ドライブ・マイ・カー』の年だったと未来では語られるんだろうけど本作も忘れてほしくないなー
ドント・ルック・アップ
ドント・ルック・アップ:超豪華キャスト競演のNetflix映画。監督はアダム・マッケイ。『アルマゲドン』と同じ導入からの風刺コメディ。政治と格差と分断。彗星を新型コロナと読み替えれば笑ってばかりもいられない。まだまだ混沌が続く2021年を締め括るに相応しい1本。 https://t.co/2pPzUqs3IO
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) December 24, 2021
1月にNetflixが「2021年は毎週新作映画をリリースします」と宣言した動画のトリを任されていてずっと見たかった1本。
めちゃくちゃ面白いけど笑ってていいのか?な風刺コメディ。
アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ
アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ:ベルリン国際映画祭2021金熊賞作品。ある動画の流出騒動を描いたコメディ。いやー、色々と衝撃。ゆったりしたカメラワーク&編集の第1幕と脱線しまくり会話劇の第3幕。その間を繋ぐ超斬新な第2幕。三幕三様の語り口で“現代”を映した大傑作にして大怪作。
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) September 28, 2021
前項までが10選で本作は+α枠。
日本では劇場公開も配信も未定。
自分は9月に渋谷で開催されたイメージフォーラム・フェスティバルで鑑賞。
衝撃度はダントツで年間トップ。
どうにかして多くの人に見てほしいのだが…
男性器と女性器がモザイク無しで映ってるので映倫の審査通らなそうだよな…w
2022年も良い映画にたくさん出会えますように。