シンプルという選択 〜物と音楽から考える本質的な豊かさ〜
私たちの周りには、あまりにも多くのものが溢れています。服であれ、音楽であれ、選択肢の多さに戸惑うことはありませんか?今日は、アパレルと音楽という二つの世界を通じて、シンプルな選択が持つ本質的な価値について考えてみたいと思います。この話は、一部の人々にとって挑発的に聞こえるかもしれません。しかし、本当の豊かさとは何か、私たちの生活の質を高めるものは何かについて、率直に語らせていただきたいと思います。
服飾における「シンプル」という選択
私の服装について、直接お会いしたことのある方はご存知かもしれません。とてもシンプルなスタイルを貫いているのです。ユニクロや無印良品を中心に、無駄な装飾や派手な柄を避け、基本的なアイテムで構成しています。
具体的には、紺色や白を基調とし、時にはオーガニックブルーのような落ち着いた色合いを取り入れています。これは単なる好みではなく、長年の試行錯誤を経て辿り着いた結論なのです。派手な色使いや複雑なデザインは、一時的な満足感をもたらすかもしれませんが、長期的な視点では必ずしも幸せをもたらさないという気づきがありました。
アパレル業界が語らない真実
ここで、アパレル業界にとっては耳の痛い話になるかもしれません。しかし、多くの人が心の中で感じているであろう真実を述べさせていただきます。
実は、2〜3色程度のシンプルな服で十分なのです。それらを組み合わせることで、飽きることなく長く着続けることができます。しかし、この事実は商業的な理由から、なかなか表立って語られることはありません。なぜなら、それでは新商品が売れず、利益を生み出すことができないからです。
現代の資本主義社会では、常に新しい商品を生み出し、消費を促進する必要があります。その結果、私たちは必要以上の選択肢に囲まれ、時として本質的でない購買行動に走ってしまいます。私自身、センスの良い人であれば上手く着こなせるような服を購入し、後悔した経験が何度もあります。
音楽における本質的な価値
この考えは、音楽の世界にも通じるものがあります。私はピアニストとして、シンプルなピアノ一本で演奏することを選んでいます。余計な装飾や複雑なアレンジを加えることなく、純粋な音の響きだけで聴衆の心に語りかけることができると信じているからです。
確かに、様々な楽器を重ね合わせ、派手なアレンジを施すことも可能です。しかし、それは必ずしも音楽の本質的な価値を高めることにはつながりません。むしろ、シンプルな演奏だからこそ、聴き手は自身の感情を自由に重ね合わせることができ、より深い音楽体験が可能になるのです。
商業音楽の現実と本質
現代の商業音楽では、3ヶ月や半年ごとに新作を発表し、常に新しい刺激を提供し続けることが求められています。しかし、よく聴いてみると、多くのJ-POPは似たようなメロディーラインや和音進行を使用しており、本質的な違いは少ないことに気づきます。
これは現代のストリーミング時代において、より顕著になっています。例えば、Spotifyでは1回の再生で約0.05円という報酬が支払われます。このような状況下で、アーティストは常に新しい作品を発表し続けることを強いられているのです。
しかし、本当に価値のある音楽とは、何度聴いても新しい発見があり、時間とともに深みを増していくものではないでしょうか。量産型の音楽は、確かに一時的な刺激は提供できますが、聴き手の心に長く残り続けることは難しいのです。
シンプルであることは、決して後退ではありません。むしろ、本質的な価値を見出し、それを大切にする賢明な選択なのです。服であれ音楽であれ、シンプルな選択をすることで、私たちは余計な迷いから解放され、より本質的な豊かさを手に入れることができるのではないでしょうか。
この考えは、一部の人々にとって物議を醸す内容かもしれません。しかし、これは単なる批判ではなく、より良い生活、より深い芸術体験への提案として受け止めていただければ幸いです。シンプルな選択は、必ずしも容易ではありませんが、長期的に見れば必ず報われる道だと信じています。
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