ヴィクトリアンジュエリー展
愛のヴィクトリアン・ジュエリー@大倉集古館
1837年~1901年に王位であった、イギリスのヴィクトリア女王時代のアンティークジュエリー展を観ました。
アクセサリーから食器、ドレスなど華やかな作品たちのなかで、私の目を引いたのが、ジェット(和名:黒玉)と呼ばれるものでした。
ジェットについては、よく知りませんでしたが、古い地層にある木の化石で世界最古の宝石なのだそう。主成分がダイアモンドと同じ炭素ということもあるのか、見た目は黒い石にしか見えませんでした。
そして、ヴィクトリア女王は、喪に服す際にジェットを身につけていたそうで、会場には、その時代の様々なアクセサリーが飾られていました。
つややかな漆黒と美しいデザインがとても印象的で見入ってしまいましたが、それと同時に、弔いの美について考えました。
それは、故人のためのものか、残された人のためのものか。
きっと、そのどちらともいえるでしょう。
旅立つ人の尊厳と見送る人への慰めが現れている気がするからです。それぞれの間をつなぐ美の力を感じました。