見出し画像

弱者によせる気持ち

芸能事務所の不祥事が取り上げられるなか、一部の人たちの、所属芸能人がかわいそうとか、悪くないとかいう意見を目にする。また、当然、事務所との取引をしないと決めている企業も、出ている。

どちらの気持ちも、わかる。

まず、広告などで起用していた企業側は、社内のコンプライアンスや人権デューデリジェンスの観点から、経営者の性的搾取が明るみに出た会社とは、取引はしない。私もこの姿勢に強く賛同するし、メディアも一つの企業として捉えると、ここで生ぬるい忖度は断ち切ってほしいと心から思う。

その一方で、真摯に仕事に打ち込んできた所属芸能人は、働く機会が制限されたり、失ったりする可能性が出るわけで、そのことには、同じ社会人としては、気の毒だと思う。

この、かわいそうコメントを見た時、頭に浮かんだのは、フェアトレードだ。
カカオ、コットンやコーヒー豆などの農園では、不当に低賃金で働かされたり、児童労働が行われていたりする。そして、フェアトレードを選ぶと、そのような農園との取引のない商品を手にすることになる。いまでは、フェアトレードという言葉を使わなくても、先述のとおり、企業の方針で、工程が不透明な生産者との契約はしていない法人は、たくさんある。

搾取のもとにある、幼い子供たち、難しい境遇の大人たちを思うと、胸が苦しくなる。 

でも、私は、そのような経営体制で作られた商品は、買わない。そのような会社には、わずかであっても、お金を支払いたくない。
そういうことなのだ。

芸能事務所の問題から、世界にはびこる課題も、再認識することとなった。


いいなと思ったら応援しよう!