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投球障害肘で前斜走靭帯(UCL)遠位部の損傷は致命的
後ろ向き症例ケース
メジャーリーグ(MLB)の健康外傷障害追跡システム(Health and Injury Tracking System: HITS)が構築される前は1球団の後ろ向き症例ケースの研究でした。1球団と言えどもMLB選手40名にマイナーリーグ(MiLB)選手180名以上が所属しているので少なくとも220名の選手がいて、そのうち半数以上は投手です。
MiLB改革
2020年のコロナ禍の中、MiLB改革(包括的労働協約:Collective bargaining agreement)があり、MiLB選手の給料を含め待遇が見直されました。その一方で160チームから120チームに削減し、各球団MiLB選手数も180名から165名になりました。
プロ投手の保存治療
2006-2011年に1球団投手32名を含む43名(23.4 ± 2.3歳)が肘尺側側副靭帯(ulnar collateral ligament: UCLあるいは内側側副靭帯)を損傷しました。投手8名(MLB1名、MiLB7名)は重症度III(完全断裂)で全員がUCL再建術を受け、復帰率75%(6/8)で術前レベルの復帰率は63%(5/8)でした。
残り35名はUCL部分断裂で7名はリハビリテーション後にUCL再建術を受け、100%復帰、術前レベルの復帰率は86%でした。
UCL損傷は近位部が2.7倍多い
UCL損傷した43名のうち24名が近位部(上腕骨内側上顆側)に損傷、9名が遠位部(尺骨鉤状結節側)に損傷しました。残り10名は損傷箇所が特定できない損傷、あるいは炎症程度でした。UCL損傷は、遠位部に比べ近位部の損傷が2.7倍多いことが分かりました。
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野球肘で最も多い手術がトミー・ジョンと呼ばれている肘の内側側副靭帯の損傷による再建術です。1974年にFrank J. Jobe医師によっ…
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