会社の資料作成で学んだこと
こんにちは、ビジネス書作家のまさしおです。
本日は、会社の資料作成で学んだことという話です。
馬鹿だった。
若い頃の私は、資料作成において「知っている情報をすべて伝えることこそが、相手に理解してもらう最善の方法だ」と信じ込んでいた。統計、データ、背景情報、何もかもを詰め込むことで、相手が深く理解できると本気で思っていたのだ。
その結果、資料は膨大なものになり、スライドは何十枚にも増えていった。それが「徹夜の成果」だと誇っていたが、実際に伝わったことはほんのわずか。どこかで空回りしている感覚を抱えていた。
ある日、上司にプレゼン用の資料を見せた。自信満々で提出したその資料を、一通り目を通した上司がポツリと言った。「で、何が言いたいの?」
その瞬間、すべてが崩れた。膨大な時間と労力が無駄になったと感じ、言葉が出なかった。だが、上司は冷静だった。
「情報を詰め込むことが目的じゃない。伝えたいメッセージを厳選することが大事だ。」
この一言が、私にとってのターニングポイントだった。知識をすべて披露することではなく、相手に何を伝えたいのかを明確にすること。それこそが資料作成の本質だったのだ。
そこから私は考え方を一変させた。伝えたいメッセージを一つか二つに絞り、そこに必要な情報だけを選ぶ。それまでのやり方を捨て、シンプルにまとめることに集中した。最初は不安だったが、驚くべきことに資料はコンパクトで伝わりやすくなり、プレゼンの成果も飛躍的に向上した。
情報が少ない分、聞き手も集中し、メッセージがより強く響くようになったのだ。そして私は、資料作成の目的が単なる情報伝達ではなく、相手の行動や意思決定を促すことだと気づいた。
今では、まず「何を伝えたいのか」を明確にしてから資料を作る。それにより、資料の質もプレゼンの成功率も格段に上がった。上司の一言が、私のキャリアにおける最も重要な教訓になり、今でも心に深く刻まれている。
学んだことはただ一つ。情報の量ではなく、質。そして、明確なメッセージこそが最も大切なのだ。
私は、このような仕事経験から学んだノウハウを本としてまとめている。
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