お・と・な・の文化財プチ講座
今私にできることはなんやろうと考えましたら、温故知新的に楽しく生き抜く秘訣をお伝えすることではないかと思い至りました。
今毎日、昔ばなしのかたり動画のアップもしておりますが、今回はおとな向けに。文化財を扱う学科にいたことを活かして、6年ほど前にある企画のために文章化したものです。埋もれてしまっているのが寂しくて。ここに記しておきます。
その名も『オ・ト・ナ の文化財拝観プチ講座』
今は流行り病で、お寺さんをはじめ、お茶室や文化財の拝観から遠ざかっております。
貴重な文化財はもとより、公的な文化財の指定がされていなくても、時を経て受け継がれているものたちは私たちよりもはるかに長くこの世界を生きています。
お寺や神社への階段をのぼる前に、文化的オトナへの階段なんていかがでしょうか。
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『オ・ト・ナ の文化財拝観プチ講座』
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一、建築物の中へ入ることを前提に、靴下もしくは足袋をお召しになってお越しください。
素足、および地下足袋は、重ね重ね、ご遠慮いただきたく存じます。
寒い時期はストッキングの方は少ないかと思いますが、拝観の間だけ履ける靴下もご持参されると、真の大和撫子オーラが滲み出ることでしょう
一、ズボンは、床や畳に擦らないようしっかり折っていただけますと、足までがスマートに長く見えること間違いなしです。
天女が飛来して羽衣で岩を削り去るのが一劫といいますが、ジーンズなどの生地はたった数日で大切な畳を削ってしまいます。
一、リュックサックや、肩掛けのカバンは自分の見えないところで、壁や屏風、ふすま等にキズをつくらないよう、わが子のように抱きかかえてください。
大切な一眼レフカメラはもっと愛して、抱きしめてください。
撮影禁止の場所の確認もさることながら、なによりカメラがぶつかった時の文化財のキズは、傷心よりも、癒えることは難しいのです。
一、貴重なお話しを逐一メモに取りたい!そんな時は、はやる気持ちを抑えて筆記具が使用可能な場所かどうか、確認を!
使用するPENは、万が一落としてしまっても、穴をあけたり、インク染みのできない えんぴつなどの筆記用具のご用意を。
フリックスペンは、文化財相手ではマッチを擦るのと同じです。
一、モデルのような長身にあこがれるかたも、拝観の時だけは部屋ごとの敷居をまたぐとき、少し頭をさげられることをオススメいたします。
鴨居や欄間に頭をぶつけられますと、とても痛いです。ですが、怪我はいずれ癒えても鴨居の傷は、バンソウコウでは治りません。
一、オシャレでかわいい金属アクセサリーや、男の勲章、立派な腕時計は、木や紙でできた文化財たちとは、反りがあいません。どんな相性占をもってしても「木」と「金」は相殺関係。尊敬はできても仲良しにはなれません。
神社仏閣、茶室など文化財あるの場だけでなく、お料理屋さんでお食事される時も颯爽とお外しになると福△雅治も度肝を抜くカッコ良さです。
一、長い年月を語り継ぐ文化財ももちろん大切ですが、信仰心そして、他者の信心を敬う心は何よりも原点なのです。それは、どんな宗教も宗派でも国も関係なく。
「私は参拝が目的と違う!お庭の桜だけを見に来たの!」と思われたとしても、ご本尊や、ご神体へ帽子を脱いで手を合わせ、一礼を奉げることを忘れないでください。
そして、帰途につく時に今日を振り返り、無事にいちにちが過ごせたことを鳥居や山門の前でこころ密かに感謝すると、次の日の目覚めも良いことでしょう。
平成25年 執筆
令和2年 加筆修正
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以上、
『オトナの文化財拝見プチ講座』でした☆
ぜひ、ご近所の何気ない神社仏閣の拝観や身近な古民家でも。
実践して頂けたらと思います。