王将アプリ - ロイヤリティ施策とビジネスインパクト
最近担当しているプロダクトにおいてユーザーのロイヤリティを向上させて欲しいというざっくりオーダーが来ています。
まぁいきなり何かの策に飛びついても効果があるかわからないので、ロイヤリティ施策が成功していそうないくつかのプロダクトを見てみました。
今回はその中でも王将にフォーカスして、ビジネスの状況とDX戦略を確認していきます。
好調な王将のビジネス
王将はここ最近かなり業績を伸ばしており、株価も急速に上がっています。
売り上げ高を見ても(昨対比)2022年が10.4%、2023年が9.7%と伸びており、業界の中でもかなりパフォーマンスが良いことが伺えます。予想売上高も伸びており、安定的に利益を確保できる状況にあります。
では、なぜこのような好調を維持しているのか。
その1要因であるDX推進とロイヤリティ施策を見ていきたいと思います。
注目されるDX推進とロイヤリティ施策
まずDX推進と書きましたが、王将が力を入れたのはアプリの浸透です。
王将のアプリはコンテンツとして会員カードやスタンプ、各種キャンペーンやクーポンを展開しています。
会員カードと浸透する王将アプリ
上記の中でも特に重要なコンテンツが会員カードです。元々お店で利用されていた会員カードをアプリ内でも管理することが可能になった機能です。
2018年からは会員カードを持っている人を対象に、スタンプを集めることで5% or 7%割引の「プレミアム会員カード」に交換できるキャンペーンを開始。
そこから22年度で会員カード発行数は102万枚となっていますが、驚くことにそれと同程度(約100万)がアプリ アクティブユーザーとして利用しています。
参照:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2306/19/news038_3.html
スムーズなアプリユーザーへの変容
マンスリーのアクティブユーザー(MAU)の推移は右肩上がりで、2023年には100万に到達しています。
実店舗の利用ユーザーでも、そこからアプリをダウンロードし活用できるようにするためには、スムーズな態度変容を促す必要があります。
王将のアプリを見ていると、物理的な会員カードからアプリ会員にシフトさせる機能があり、会員カードの番号を入力もしくは読み取るだけでスタンプの状況を連携できます。
また、会員カードをフックにアプリを利用し出したユーザーはその後クーポンやキャンペーンなどを利用することができ、付加価値の高いコンテンツを元に定着している状況があります。
王将アプリのユーザー定着までの一連のフローが機能しているからこそ、売り上げを伸ばせている状況が続いていることが見て取れます。
会員カードという強力なロイヤリティ施策はすでに存在していたとはいえ、そこをフックにデジタルへの移行が推進できたことが、さらなるユーザーの定着につながっています。
終わりに
DXと言ってもアプリを活用したロイヤリティ施策とユーザー定着がメインになりますが、とは言ってもこういったDX施策を推進できている会社は安定的に収益を確保できる構図が出来上がっていることが多く、投資家にとってもPDM/UXディレクターにとっても参考にするべきところがありそうです。