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【校正・PR実績】『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』『Staffer Reborn』

韓国のインディーゲーム開発スタジオTeam Tetrapodの推理ゲーム『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』グローバル版と『Staffer Reborn』の"発売後"に校正、LQA、日本向けプレスリリース配信のサポートを担当しました。

2024年4月26日に発売された後、5月7日のアップデートで、発言者と口調が合っていない箇所や誤字脱字の大半が修正されましたが、その修正を私が担当しました。

経緯を書きますと、4月26日(金)に発売を控えた週の月曜日4月22日からグローバル版のオープンベータテストが実施され、私はボランティアで参加しました。

韓国語版の発売から約1年経過してゲーム部分は完成していましたから、グローバル版のベータテストで集まるバグ報告というのは、追加された言語のエラーばかりになるはずで、つまりこれはLQAテスターを募集しているのと変わりませんでした。私がCase 1と2を一回プレイして報告した誤字は修正されましたが、見落としもあり、発売後にユーザーレビューに「全体の半分ぐらいの進行度で(誤字などのエラーが)40か所弱は多すぎる」と書かれてしまうほどには、誤字や、発言者と口調が一致していない所が多かったのです。

クレジットには、翻訳を担当している翻訳会社の名前も、翻訳者とLQA担当者の名前も記載されていました。プロの翻訳者である私が同業者の翻訳のエラーを開発者に大量に報告するということが果たしてフェアなのかどうかという迷いもありました。オープンベータテストの募集がなければ、やらなかったでしょう。

ですが、最終的には関係者全員にとってメリットのある提案ができたと思います。少なくとも、翻訳品質を理由に低評価レビューがつかない程度に改善をして作品の評価を守ることができましたし、購入してくださったユーザーの皆さんに、誤字がほぼない品質の翻訳を提供できました。さらに、誤字や口調の不一致などの明確なエラーをスプレッドシートにまとめて、客観的な資料として開発会社と翻訳会社に提出しました。このプロジェクト以降、私はその翻訳会社さんから翻訳や校正の案件をいくつかいただいてます。緊急で翻訳者を探しておられるときには知人の許可を得てご紹介しています。

幸い、配信したプレスリリースも記事にしていただけて、プレイしてくださった方々が広めてくださったおかげで、『Staffer Case』は現時点で196件の日本語レビューがつくほど、日本でヒットしました。海外産のノベルゲームで、こんなにたくさん日本語のレビューを書いていただけることはなかなかないと思います。

こうやって開発者とも翻訳会社とも良い関係を築くことができれば、もう誤字の多い翻訳のまま世に出てしまうことはないはず。一安心です。なんせ私もすっかりStafferシリーズのファンになってしまい、いつの間にか、ノートリックの役に立とうと考えてしまう捜査課のメンバーみたいになっているので。

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