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MBA Candidate「コーポレートストラテジー④」

前回から21世紀型の経営戦略論=VUCAの時代の経営戦略について書いています。今回から、不確実性に対処しながらイノベーションを起こし続ける方法の具体的な内容について、学んだことを書いていきます。私が学んだパターンは大きく3つあります。Ⅰ企業間連携、Ⅱ未来創造、Ⅲ試行錯誤の3つです。

まずは、企業間連携について書いてきます。
他社とのコラボによってリスクヘッジしながら、スピーディーに事業を立ち上げることを可能とし、時代や社会の変化に遅れない様にする為の方法の1つです。今の時代、1社単独で競争優位を築くのは難しいので、コラボによって競争優位を築きます。注意点は、取引コストのリスクがある点です。ただし、ITの進歩により取引コストは低減され、モニタリングも容易化されました。
企業間連携には、主に4パターンあります。①オープンイノベーション、②プラットフォーム、③ビジネスエコシステム、④シェアリングエコノミーの四つです。

①オープンイノベーションとは、 組織内部のイノベーションを促進するために、 意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、 その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである。(Henry W. Chesbrough)
イノベーションには、以前話題になった「両利きの経営」という考え方があります。「探索(Exploration)」と「深化(Exploitation)」の両方必要だというJames G. Marchの理論です。「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さ(深さ)を知る」という言葉がありますが、つまりは両方大事だよねってことだと思います。そして、「深化」は社内でも出来るけど、「探索」は社外に出ないと難しいよね、だからオープンイノベーションという発想が必要だよね、ということだと理解しました。特に大企業は「探索」が得意ではないので、積極的に社外と交流を図り、オープンイノベーションを取り入れる必要性があると思いました。私が勤めている会社でもジョイントベンチャーの設立が増えてきましたが、この辺を意識しているのだと思います。

②プラットフォームは、ECサイトとか割と最近のイメージがありましたが、日本でも以前からたくさんあります。魚市場、ショッピングモール、金融仲介、クレジットカード、ゲーム機、テレビ局などもプラットフォームの一つであると言われ、確かにそうだなと思いました。個人的には、リクルートは、人と人や、人と企業を繋げるプラットフォームを作るのに優れているグループではないかと感じました。
プラットフォームの成功要因は、1.フリクション(摩擦)除去:信頼の見える化など、2.チキンエッグ問題の解消:キラーコンテンツの導入など、3.収益モデル:課金対象の工夫、4.交流する場の提供:「いいね」口コミなど、5.参加者行動のコントロール:不正防止(メルカリ等)などがあるとのことです。成功要因というより、越えなければならない壁だと感じました。
すでにある先行プラットフォーマーへの対抗策は、いくつか学びましたが、ここでもニッチ市場への絞り込みが出てきました。例えば、「一休」があげられます。高級宿泊施設に絞ることで、直接競争を回避でき、単価も高く保てます。もちろん、ターゲットの選別だけでなく、高級志向のユーザに選んでもらうための工夫や努力は簡単ではないと思います。

③ビジネスエコシステムは、企業間の相互依存的ネットワークを生態系メタファーとして提示した概念です。(James Moore)
バリューチェーンを関係企業にも広げた、バリューネットワークのイメージかなと思いました。自社がいわゆるプラットフォームとなる場合が多いようで、分かりやすい例で言うと、アップルやアマゾンなどがそれにあたります。

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(出所)総務省平成24 年版情報通信白書
ビジネスエコシステムの中に、自社グループ企業を複数からめて、利益をまるっと狙いたいという大手企業が、増えてきていると思います。私の仕事でもそういった相談を受けることがあります。それを国内で成功している一つの例として、楽天グループがあげられると思います。

④シェアリングエコノミーは、最近増えてきて話題となることも多いですね。主に5パターンに分類できるそうです。空間(Airbnb、WeWork)・移動(Uber)・モノ(メルカリ、カーシェア)・スキル(クラウドソーシング、家事代行)・お金(Makuake、Readyfor)の 5 つです。この分野については、これから研究が進んで行くのであろうと思います。

次回は、Ⅱ未来創造、Ⅲ試行錯誤について書きたいと思います。

以上

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