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雨過天晴
自分や相手が己の道を進むことで縁が離れてしまうのが嫌だった。
執着というか愛情が深いというか、ほんの少しの付き合いでも深く好きになってしまう自分が嫌だった。
でも独りは寂しいから嫌いだ。
とはいえ一人にはなりたいのだ。
本当は自分らしく生きたいのに関係性や距離感が変わることが怖くて素直になれなかった。
「あなたはきっと僕とは違う道に行くのだろう」
僕は誰よりも自分の道を進みたいのに、人のことになると酷く寂しくなって、どんな顔したらいいのかわからなくなるんだ。
また僕の前からいなくなるのかといつも被害者ぶってた。
でも離れて行ったのは僕の方だと気づくのは随分先だった。
自分が進みたい道を進むことでついてくるこの寂しさが嫌で、
強がって切り離すことばかりしてきた。
そのたびにイライラしては虚無感に襲われた。
深くつながるほどに、深く愛するほどに、いつか離れてしまうことを恐れる。
誰よりもあなたの近くにいたいのに、誰よりも早くあなたを遠くに感じる。
こんな思いをするならと繋がることをやめて、人を遠ざけるようになった。
出会いの喜びよりも別れの辛さの方が残るから。
自分の道に気づいて進む。
そこで変わる景色にいつも後ろ髪を引かれてきた。
季節の巡りや雲の流れは好きなのに
人と別れることはとても苦手だった。
この気持ちはずっと付き合っていくものなのだろう。
出会いのたびに喜び、別れのたびに悲しむ。
寂しいという気持ちはその人のことが好きだったという証拠だと、心に大切にしまっておこう。
この気持ちと共に生きていく。
あなたは僕の人生に出会いと別れを伝えてくれた大切な1ページなのだから。