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⑤過剰な「鉄分」について


「鉄分信仰の弊害」についてお伝えしていきます。

健康のために鉄分をもっと摂らなければならないと考えたことは誰でも一度はあるのでは無いでしょうか?

実際、医師やメディアも食事やサプリメントで鉄分を補いましょうと喧伝していますよね。

ところが最近の研究では、人間の身体に必要な鉄分も多く摂ってはいけないことが明らかにされています。

それどころか鉄分の摂り過ぎで、健康を脅かす深刻な問題に発展すると考えられているそうです。

血中の鉄分が多すぎると臓器、身体の組織、関節に影響するだけでなく、がんや心臓病、早死にのリスクが上がることがわかっています。

その原因は身体の中の細胞内のミトコンドリアの働きと関係していて、実はとてもシンプルなものです。



過酸化水素と鉄がくっつき、身体に炎症が起こる


人の身体はミトコンドリアの代謝によって、私たちの活動エネルギーとなるATPを生み出し、過酸化水素もつくられています。

この過酸化水素はさまざまな代謝経路をコントロールするために必要なものです。

ところが血中の鉄分量が過剰だと問題が起きてしまうのです。

鉄分が過酸化水素と反応して(フェントン反応)ヒドロキシラジカ(OH)が発生してしまいます。

このヒドロキシラジカルは、フリーラジカルとなり比較的害のない過酸化水素とは違って

ミトコンドリアDNA、タンパク質、細胞膜などこれらを破壊して、身体の炎症を悪化させます。

体内の炎症は様々な慢性疾患の原因となりえるので、もちろん肥満も例外ではありません。

いくら身体に良い食事をしていても、鉄分が多ければミトコンドリアの機能をも停止させてしまいます。

どうして身体から鉄分を減らす必要があるのか?


鉄分を過剰に摂取していると、ミトコンドリアへの害や遺伝子変異などのほか、さらに次のような健康上の弊害があることが知られています。

以下はその例です。

病原体の成長を促進する


鉄分は人の成長を促進します。

そのため子供のケースでは必要な鉄分量を維持しなければいけませんが、過剰な鉄分摂取は病原体となる菌、真菌、原虫類といった健康に害となる微生物の成長をも促進することにつながります。

肥満


先ほど説明したように、鉄分には成長を促進する性質があります。

鉄分の摂取増加は、肥満度の増加と相関関係があるのです。

体重を減らしたいのなら、食事や運動以外の要因として鉄分量を見直すことも効果的です。


糖尿病


鉄分は、血中の血糖値やインスリンの量に影響すると考えられています。

血清フェリチンの値(鉄を溜めこむタンクのようなもの)と、二型糖尿病には関連性が見られます。

血清フェリチンの値が高い人は

二型糖尿病になるリスクが通常よりもかなり高いことが判明しており

ご存知の方もおられると思いますが、糖尿病のリスクを下げる手段として献血が推奨されています。

献血は身体の外へ鉄を排出する手段の一つです。

ちなみに頻繁に献血をする人はインスリンの感受性が高く、糖尿病になるリスクが低いそうです。

アルツハイマー病、パーキンソン病、ALSなどの神経変性疾患


脳は他のどの臓器よりも酸素を必要とします。
その酸素を運ぶのはもちろん鉄分です。

しかし、脳内において鉄分量が多くなるのは良くないのです。
年を重ねると、アルツハイマー病やパーキンソン病のような神経変性疾患が増えるのは、加齢によって脳内の鉄分量が増えることが理由だと考えられています。

アルツハイマー病患者の脳内の鉄分量が多いこと

アルツハイマー病の初期やパーキンソン病の患者の脳内でも、異常な濃度で鉄分が存在することがわかっているそうです。

現在では、脳脊髄液のフェリチンの値によって

軽度の認知症がアルツハイマー病になるかどうかが判断できることが分かっています。

また、脳内の鉄分量が多いと認知症が悪化することも分かっています。

過剰な鉄分が酸化ストレスと炎症を引き起こし、脳の機能を損なうのだろうと考えられています。

がん


重複しますが鉄分によってヒドロキシラジカルが過剰に作り出され、それがミトコンドリアDNAを破壊し、がんにつながります。

すい臓がん、乳がん、メラノーマ、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫など

さまざまながん患者の血清フェリチン値を調べると、鉄の数値が高くなっていることもわかっています。

アメリカ全国健康栄養調査の結果を示すと、食事による鉄分の摂取量と、体に貯蔵されている鉄分量には、大腸がんになるリスクと関連性があることが示されています。

そして赤身肉が結腸がんのリスク要因になるのは、そこに含まれる鉄分の可能性があると考えられています。

鉄分が多すぎると結腸の炎症を引き起こし、腸粘膜が傷つくためです。

そして、過剰な鉄分摂取が肝臓がんのリスクを高めるというデータもあります。

過剰な鉄分が引き起こす病気の予防には、食物繊維が役立つと考えられていいて、食物繊維は消化器にある鉄分を絡めとり排出させる効果があるからです。

骨粗鬆症


骨の健康にも適切な鉄分が必要とされていますが、ここでも鉄分が多すぎることに問題があります。

血色素症など鉄分が多いことで発症する疾患がある人は骨粗鬆症も併発していることが多いそうです。

正確な検査を受けることについて


内科医は患者の鉄分量を調べる際に、いくつかの検査を使い分けています。

しかし、その詳細について把握している医者や、血清フェリチン値の重要性を本当に理解している医者は少ないそうです。

そのため、病院によって正しい検査とは異なる検査を実施し、その結果から鉄分量に異常はないと説明される事があります。

鉄分量は簡単な血液検査で判明するので、定期的に実施することがおすすめです。

もちろん医者によっては鉄分量の重要性を十分に理解していない可能性もあるので、どの検査が必要なのかをこちら側が知っておくと役立ちます。

その必要な検査とは、血清フェリチン検査です。

フェリチンとはタンパク質の一種で

鉄分を貯蔵し、必要に応じて体内に出す役割をします。

この量を調べることで体に貯蔵されている鉄分量が分かり、多いか少ないかもすぐに判断できます。

動物性タンパク質に含まれる、吸収されやすいヘム鉄


動物性タンパク質の過剰摂取を控える理由の一つには、鉄分による弊害とも関係しています。

ご存知だと思いますが、動物性のタンパク質は鉄分が豊富にあり、身体に吸収されやすい形のヘム鉄です。

そのため、動物性のタンパク質を摂取すると、過剰に身体の中に鉄分を入れることになります。

ですから動物性のタンパク質を摂る量は、このような理由からも制限する必要があります。

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