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世界を踊らせた英国紳士

泣く子も踊るロック界のレジェンド、ザ・ローリング・ストーンズ。
そのなかでドラムのチャーリー・ワッツはとても稀有な存在だった。

スキャンダラスな話題が絶えないストーンズの歴史で彼はいつも静かな男であり続けた。
ほかのメンバーが多くの女性と浮き名を流すなか、彼は生涯一人の女性を愛し続けた。

「チャーリーのドラムがなきゃストーンズじゃない」とキースリチャードは話す。
シンプルで派手さはないが凄くグルーヴ感のあるドラム。
クールでカッコ良いたたずまい。

その輝きは「七人の侍」における宮口精二。
「ゴッドファーザー」におけるロバート・デュヴァルだろうか。

1984年、オランダのアムステルダムでの事。
酔っ払ったミック・ジャガーがチャーリーに電話して「俺のドラマーはどこにいるんだ」と蔑んだ。
チャーリーは起き上がり髭を剃り正装しミックの部屋へ行き、いきなりミックを殴りつけて言った。
「二度と俺のドラマーなんて言うな、俺の歌うたい」

もしもチャーリー・ワッツの伝記映画が作られるとしたら、このシーンは絶対はずせないだろう。
誰か映画化してくれないだろうか。
チャーリー・ワッツの半生とチャーリー・ワッツの目線で見たローリング・ストーンズ 。
マーティン・スコセッシが撮ったら最高に渋い映画になりそうだ。

「音楽はジャズが好き、ロックは仕事」
そう言っていたチャーリーは2021年8月24日に亡くなった。

世界一ワイルドなロックバンドの静かなドラマー。
世界中のロックファンの心に彼はいつまでも生き続けるだろう。

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