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子供の力を伸ばす「待つ力」
特別支援学校の高等部知的部門で働いています。
身辺自立が課題の生徒もいます。
重度の障害により、衣服を着脱などもサポートが必要です。
靴を履くという行為も、ままならないです。
現状は足を上げてもらい教師が履かせているのですが、足を上げるのもその生徒にとっては一苦労です。
時間にゆとりがあるときは、できるかぎり足を上げてくれるのを待ちます。
足が上げにくい時は、足を上げやすいように少しだけ手を貸します。
この時もこちらが上げてしまうのではなく、少しでも自分の力で上げたと感じてもらえるように最低限力を加えます。
そのような支援をしながら、自らスッと足を上げてられるようになることを目指して取り組んでいます。
〇行動を起こすのに時間がかかる子供もいる
行動を切り替えたり、体を動かすにしても脳からの指令があってこそスムーズに動くわけです。
脳の複雑な神経回路がうまく機能していないと、体を動かす指示がうまく通らず行動を起こすまでに時間がかかってしまいます。
その脳の指示の通りにくさを教師は理解し、待ってあげたり、指示が通りやすいようにサポートしてあげることが重要です。
切り替えが難しい子供も同じで、可能な限りまってあげることが大切です。
しかしながら、時間や状況によっては、待てないこともあるので、その時の事情を説明してある程度強制的に次の活動に切り替えさせることもあります。
〇主体的に動けた時にこそ学習効果が高まる
学習というのは、脳の神経回路がつながっていくことです。
例えば、「自転車に乗る」ために多くの人が乗れるまで、転んではチャレンジしてを繰り返したと思います。転ぶ段階というのは自転車を乗りこなすための脳の神経回路がつながっていないの状態です。しかし、失敗を繰り返しながら何度もチャレンジする中で脳は適応としようとします。その結果、脳の神経回路ができて乗れるようになるのです。
この脳の神経回路ができて学習ができた状態を作り出すために重要なのは内的な欲求です。
主体的に取り組めるかどうかです。
子供たちが自らの意思で「やろう」としたことは、学習効果を得やすいです。
ですから、学習機会においては子供たちの「したい」「やりたい」をきっかけにするのが大切なのです。
そして、その内的な欲求が起こるのを引き出したり、待つことも教師の大切な仕事です。