SNSで目立つのは「奇人変人」？〜個性の極端化とエコーチェンバーの真実〜

2024年11月5日 09:44

SNSを見ていると、「なんでこんなに個性が強い人ばかりが目立つんだろう？」と感じることはありませんか？特に最近では、普通を超えた「奇人変人」と呼べるような存在がSNSの舞台で大きく注目されがちです。今回は、この背景にある理由について考えてみます。

SNSで目立つのはなぜ極端な個性？

SNSは、日常を超えた刺激や意外性が求められるメディアです。情報が溢れる中、同じような話題や控えめな内容は埋もれてしまい、どうしても目を引くためには「普通」を超えた個性が必要になります。そのため、個性的な表現や非日常的なキャラクターが自然と注目を集めやすくなっているのです。

SNSのアルゴリズムもその流れを後押ししています。いいねやシェア、コメントが多いコンテンツほど優先的に表示されるため、どこか「突き抜けた個性」がある投稿が目立ちやすいのです。普通の人では考えつかないような突飛なアイデアや異質なキャラクターが「話題性」を生むことで、どんどんと拡散されていきます。

エコーチェンバーが生む「変わった個性」

SNSでは、同じ趣味や価値観を持つ人たちが集まりやすく、エコーチェンバーと呼ばれる現象が起こりやすくなります。たとえば、奇抜なファッションや特殊な趣味、過激な発言などが共感を呼ぶと、そのような人たちが集まって「もっとその個性を見たい」というエコーチェンバーが形成されます。結果として、SNS上では「普通とは少し違った個性」がどんどん強調され、「奇人変人」とも呼べるようなキャラクターがさらに際立つ構図が生まれるのです。

普通でいることが埋もれる時代

大量の情報が日々流れるSNSでは、「普通」や「控えめ」な内容は残念ながらあまり注目されません。むしろ、特異な存在や変わった価値観が「独自のスタイルを持つ人」として称賛される傾向があります。そのため、以前であれば奇抜に見えるような人が、SNS上では「他と違う人」として脚光を浴びやすくなっています。

これにより、「奇人変人」と呼ばれるような人たちが次々と現れ、SNSでより一層目立つようになってきているのです。

SNSは自分を解放する場？

SNSの魅力のひとつは、「現実世界では表に出しにくい自分」を発信できることです。現実では周囲の目を気にして言えないことや、日常生活で見せない側面を「本来の自分」として表現する場となりがちです。普段は抑え込んでいるような趣味やキャラクターも、SNSでは自由に表現できるため、奇人変人的な側面が前面に出やすくなっています。

フォロワーを増やすための「奇抜さ」という戦略

SNSではフォロワーを増やすために、「普通ではない何かをする」という戦略が使われがちです。「目立つためには奇抜さが必要」と感じる人も多く、結果的に個性を極端な形で表現することで特定のファン層を獲得しようとします。このような流れの中で、奇人変人的な行動が「SNSウケ」する要素となり、さらにそのキャラクターが際立っていきます。

結局、SNSは奇人変人が目立つ場？

これらの要素が重なり合い、SNSでは極端な個性や奇人変人が注目されやすくなっています。SNSのエコーチェンバー化やアルゴリズムの仕組みが影響し、日常ではなかなか見かけない人々が「新しいトレンド」や「個性的なアイコン」として話題になるのです。奇人変人が目立つのは、SNSの特性ともいえますね。

SNSでは、個性を存分に発揮することでしか見られない景色が広がっています。ただし、個性を無理に変えるのではなく、共感できる価値観や共鳴できる仲間と出会う場として、ポジティブに使っていくのがSNSの本来の魅力かもしれません。